[2020年11月10日]
都立中が中学数学の指導で、私立中高一貫校とおなじ「体系数学」を使っていることは、もはや周知の通りだ。
「体系数学」の学習に際しては、補助教材として「チャート式体系数学」を使うことが効率的なことも、広く知れ渡っているであろう。
中学受験に成功した塾生の、その多くが中学入学後も通ってくれていることは、以前に、この日記で書いた。
もともと、中学数学は、高校受験を目指す中学生向けのカリキュラムを基本としてきた。それでも進学校を目指す塾生には、中2末までに、中学3年間の数学を学び終えられるように指導してきた。
これに、中高一貫生が多く加わり、公立中学校などに通う塾生とは別のカリキュラムで、中学数学を2年間で学び終えるようにしようとすると、進め方で学習内容に前後が生じるという課題が発生していた。
そこで、中学数学を2年で終える指導内容を2本立ての複線にして、この課題を解消することとした。
中学生は、通学校のカリキュラムに合わせて、次の2つから指導順序を選べるようにする。
1.公立中学・受験数学カリキュラム
2.中高一貫・体系数学カリキュラム
いずれも、新中1から中2末までの2年間で、中学課程の3年間分を、学び終える。
地元公立中学に通う中学生は、定期テスト対策や課題や宿題などの関係で、従来型の「公立中学・高校受験カリキュラム」を選択するメリットが大きいことに変わりはない。しかし、「中高一貫・体系数学カリキュラム」を選択するメリットもある。
高校受験で、難関高校を目指す場合だ。
実学校名をあげるのは差し控えるが、難関高校では、高校入試問題で、高校内容の一部まで出題する。よって、高校受験生であっても、「中高一貫・体系数学カリキュラム」を選択するメリットはある。
一方で、中高一貫校に通う中学生でも、「公立中学・高校受験カリキュラム」を選択するメリットがある。大学附属中学の中には、学習指導要領のカリキュラム通りに中学数学を指導する学校があるからだ。
「中高一貫・体系数学カリキュラム」を選択した場合、高校生向け教材の一部もご用意していただく必要があるが、低価格なのでご心配はいらない。
また、高校受験で難関高校を目指す場合に、受験校によっては、英語でも、高校内容から出題されることがあるので、注意が必要だ。
こちらは、わざわざ「中高一貫・中学英語カリキュラム」を組むまでもないかもしれないが、特別カリキュラムを組んだ方が学びやすいようであれば、新たに構築を検討したい。
多くの難関私立中高一貫校では、学習塾向けの、ある総合英語教材が、学校指定の補助教材として使用されている。実は、ある都立中高一貫校でも補助教材として使用されている。難関中高一貫校では家庭学習用として与えられ、定期テスト範囲とされることがほとんどだ。実はこれ、塾内で、都立高校共通問題校の特別推進校や推進校の攻略用として使用している主力教材と、同じシリーズの、まさに上級版である。
この上級版は、都立高校共通問題校の攻略用としては、難易度が高過ぎて適さない。また、都立高校自校作成校を攻略用としては、すでに高い学力を備えた中学生でないと、指導に時間がかかり過ぎて適さない。
このため、都立高校自校作成校の攻略用には、この上級版を使わない指導カリキュラムで対応している。
共通問題校攻略カリキュラムと、自校作成校攻略短期カリキュラムの組み合せである。これで十分に代用できる。しかも、この組み合わせの方が、都立自校作成校や私立難関校や国立大学附属校と共通問題校との間での志望校の変更や、複雑な併願戦略に、柔軟に対応できるというメリットがある。
最新の学習指導要領の改定で、高校英語に移管されていた領域の一部が、また中学英語に戻ることが決まっている。これらを踏まえながら、「中高一貫・中学英語カリキュラム」の構築を進めていきたいと思っている。
現状でも対応できているが、いざ新たに構築するにしても、数学よりも簡単にできそうだ。
3.公立中学・高校受験英語カリキュラム
4.中高一貫・中学課程英語カリキュラム
むしろ、学習指導要領の改定で、中学英語は抜本的に大きく内容が変更になる。
英語では、こちらへの対応こそが、指導内容再編成の大きな柱となるだろうと考えている。
公立中学からの高校受験生も、中高一貫前期課程生も、適切かつ効率的に学べる指導体制の整備を、常にタイムリーに行っていく。