[2020年12月14日]
神奈川では、大手塾どうしで、訴訟に発展するほど激しくモメているようだが、感染症の拡大で、大手塾は獲物(生徒)が十分に手に入らなくなり、縄張り争いが激化し、ついには、合格者数を組織的に大幅に水増ししてでも、生徒の奪い合いをせざるをえなくなったことが、最大の原因だろうと思われる。
内部告発で、明るみになったようだが、どうやら、ずいぶん前から、大手塾では、組織的に、かつ大規模に、合格者数の水増しや、過激な生徒の争奪戦が、行われていたようである。
以前は、関西方面で、大手塾の組織的な合格者数の大幅な水増し合戦が問題になったことがあった。
おなじく、首都圏では、予備校による組織的な合格者数の大幅な水増し合戦が激化し、公正取引員会が立ち入る事態に発展したこともあった。
今回の神奈川の注目点は、訴えられた塾も、訴えた塾も、「公立中高一貫校の合格者数を競い合っている塾どうし」であるということだ。
やられたから、やり返す。
やり返されて、やり返す。
行き詰まると、訴訟する。
自己利益が優先だと、だいたい、こうなる。
規模拡大が優先だと、だいたい、こうなる。
学習塾や予備校の実力が、合格者数ではなく、合格率で評価されるようになれば、もっと浄化されるのではないだろうか。
大手塾の合格者数の水増しの影響は、結果として塾に通う生徒に及ぶことになるのだから、受験生親子も「適切に塾の能力を評価する眼力」を養っておくことが大切だと思う。
どこどこ中学、まるまる人合格! 業界ナンバーワン!
公立中高一貫、まるまる名合格! 業界トップ!
どれも怪しいということなのだろう。
今回の事件を教訓にして、大手塾が公表する合格者数が、いかに信用できないか、知っておくべきだろう。
今回の事件を教訓にして、信用できない数値で判断することが、いかに危険かも、知っておくべきだろう。