[2020年12月15日]
適性検査問題は、小学生が体験したり経験したりする題材から出題されることが多い。
その中で、確かな学力と、確かな思考力が試されるので、解いていて面白い。
公立中高一貫の適性検査らしい問題として「ピタゴラスの音階」について考えてみる。
計算力や論理的思考力があるかどうかの適性を、検査することができる。
出題者からしても、作問しやすい。
琴やギターの写真と一緒に出題すれば、適性検査らしくなる。
適性検査では家庭科を題材として出題されることもある。しかし、問われているのは、算数の「組み合せ」だったりする。音階の問題を、音楽からの出題かのように勘違いしたり、算数だと見抜いても、その規則性を発見できないと、試験時間内で完答するのは難しいだろう。
いつものように、太郎と花子に解いてもらうことにする。
太郎:ピタゴラスの音階を知ってる?
花子:ピアノの先生がお話ししてくれたことがあったけど、覚えていないわ。
太郎:音階は、ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド、だよね。
花子:それくらいは、みんな知ってるわよ。
太郎:ドの音を1とすると、弦の長さが半分なら1オクターブ上のド、弦の長さが3分の2ならソになるんだ。
花子:そうなんだ。他の音階はどうしたら出すことができるの?
太郎:理科と算数の問題として考えてみて。
(問1)琴で、ドの音の時の弦の長さが1のとき、ファの弦の長さを求めなさい。
(問2)琴で、ドの音の時の弦の長さが1のとき、レの弦の長さを求めなさい。
*音階は、実際には弦の長さではなく周波数比(音の波長の長さの比)となるため、弦の長さとは少し違うことがあるが、ここでは与えられた情報のみから解答しなさい。