[2020年12月19日]
ギリシャの天才学者プラトンは、紀元前400年頃、リーダーを育成する学校「アカデメイヤ」をアテネ郊外に設立した。
代数学、幾何学、天文学などをマスターした人しか入学が許されなかったこの学校の門には「幾何学を知らぬ者、くぐるべからず」と掲げられていたという。
プラトンは、国家や社会を導いていくことができる人、つまり「リーダー」には、思惟、つまり「論理的思考」によって、真理を探究することができる能力が必要であり、そうした人になるためには、前提として、代数学、幾何学、天文学などの素養が備わっていなければならないと考えた。
代数学、幾何学、天文学を習得できなければ、リーダーになれないのか?
あるいは、
代数学、幾何学、天文学を習得できなくても、リーダーにはなれるのか?
世の中の意見は、分かれるかもしれない。
しかし、プラトンは、
代数学、幾何学、天文学を習得できた人でなければ、リーダーを目指す資質はないと考えた。
代数学、幾何学、天文学を習得できない人が、リーダーとなるような国家や社会を危惧した。
「アカデメイヤ」が素晴らしい学校だからと、むやみやたらと入学を目指しても、多くは門をくぐることさえ許されなかった。
リーダーを育成する学校への入学を目指すなら、その前に、何をなすべきなのだろうか。
古代ギリシャの哲人の知恵を、今一度、拝借すべきかもしれない。
リーダー育成学校で学ぶ資質がない者を、無秩序に多く集め、そして、多くの不合格者を出し続ける塾は、いったい何を目論んでいるのであろうか。
プラトンが生きていたなら、これを、どのように評したであろう。