[2021年1月21日]
都立中の令和3年度の応募倍率が、本日1月21日発表された。
またしても、予想が的中してしまった。
すべての都立中の倍率が、「横ばい」から「若干の減少」となった。
全体の倍率は、5.74倍から、5.13倍に、有意に低下した。
先に発表された九段よりは、減少幅がやや小さい。
桜修館のみ、5.93倍から6.16倍と、ほんのわずかに増加(ほぼ横ばい)で、両国が、7.09倍から7.04倍とわずかな減少にとどまったが、他の都立中の倍率は、有意に減少した。
特徴的なのは、募集定員が増えた武蔵と富士の倍率が、武蔵3.21倍、富士3.24倍と、ほぼ3倍近くまで低下したことだ。この2校については、今年に限って言えば、「受かるべくして落ちてしまう」ような番狂わせは、大幅に減るであろう。しかし逆は少し増加するかもしれない。
桜修館と両国は、倍率は横ばいながら、昨年以上に激戦となるだろう。記念受検や、冷やかし受検や、お気軽受検が、大幅に減少したであろう状況下で、ほぼ横ばいの倍率となったからだ。
桜修館は、コロナ禍で、難関私立併願組が増えたのではないかと思う。
難関私立とは言っても、御三家クラスではなく、新御三家クラスが多いだろうと予想する。
両国は、難関私立併願の増加ではなく、難関私立からの鞍替え組が増えているのではないかと思う。
コロナ禍で、御三家、新御三家、最難関、難関と、幅広い上位層で、第一志望を両国に鞍替えする動きが起きた可能性がある。
いずれにしても、桜修館と両国は、激戦を予想する。
一方で、武蔵と富士を筆頭に、他の都立中は「力があるのに残念になる」という意味での番狂わせは、昨年より大幅に減るだろうと思う。
武蔵と富士の倍率変化から、「受検生親子はけっこう素直に動く」ことが確認できた。ただし来年度も、両国と大泉で同じことが起こるという保証はない。特に大泉は地理的な条件から、独自要因で動く。影響があるとしたら富士との天秤をどうするかであろうが、これも地理的にかなり詳しくないと読みにくい。
富士にとって、さらなる倍率低下要因となるかもしれない。
いずれにせよ、本気で都立中を第一志望とする受検生親子にとって、全体としては良いニュースとなったのではないだろうか。
逆に、高倍率を言い訳にする受検生親子は、より肩身が狭くなるかもしれない。