[2021年1月28日]
都立中が第一志望の受検生親子の中には、2月3日の入試が終われば、長かった受検勉強が終わると思っている方も多いだろう。
しかし、その考えには、注意が必要である。
受検するのは、まだ幼さの残る11歳と12歳だ。
2月3日の試験中、あと少しで、苦しかった受検勉強も、受検そのものも、これで終わりだと思った瞬間に、思いもよらなかった状況に陥る受検生もいるからだ。
今日の試験が終わったら、思いっきり好きな本を読みたい、思いっきり睡眠を取りたい、大好きな料理をお腹いっぱい食べたい、友達と遊びに行きたい、テレビを好きなだけ見たい、ゲームを時間制限なしで楽しみたい、思う存分スポーツしたい、などの思いが、頭の中をグルグルと回りだす。
しかも、まだ試験が終わっていないのに。
心とからだは正直だ。
もう気持ちは試験問題から飛んでしまう。
もう体には疲労感がずっしりのしかかる。
自分は何をしているのかわからなくなる。
頭の中が真っ白になっていく。
時だけがどんどん過ぎていく。
ここまで取り組んできた成果を出せないまま、「やめ」という声だけが、試験会場に響く。
「どうだった?」
「覚えてない・・。」
何をしていたのか覚えていない。
何と解答したかを思い出せない。
約1週間後に、自分の受検番号がない。
慌てふためき、地元公立中学の制服採寸に、親子で走る。
これまでの努力は何だったのか?
これまでの苦労は何だったのか?
誰が悪かったのか?
何が悪かったのか?
分からない。
得体の知れないパニックの中、新たな時だけが過ぎていく。
そうならないために、お勧めしたいことがある。
2月3日ですべて終わりにしないことだ。
2月4日に入試日程を組んでおくことだ。
女子なら、校名がSで始まる、ある元気な私立中がお勧めだ。
男子なら、校名が別のSで始まる、素敵な私立中がお勧めだ。
あるS中は、入学辞退すれば、納入金は全額返金してくれる。
別のS中は、都立中の合格発表まで、手続きが締切られない。
合格しても、入学しなくてよい。
合格したら、入学したってよい。
どちらも正真正銘の進学校だからだ。
都立中に遜色のない進学校だからだ。
難易度が高いから、滑り止めにならない。
だから、2月4日に受験する価値がある。
2月3日に力のすべてを出し切るために。
2月4日にS中に合格した塾生で、都立中に残念になった受検生は、一人もいない。