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三田学院

[2021年2月5日]

【都立中】待つ身はツラい

都立中の合格発表は、入試日から6日後と、かなり待たされる。

合格を期待する受検生親子は、時間が止まったような、先の予定が立てづらい、張りつめたような時間を、延々と過ごさなければならない。

待つ身は、どんな時も、ツラい。
ジリジリした気持ちが延々続く。
楽観と悲観が、交互に駆け巡る。

残念なら地元公立中学で良いと、心から思えるのなら、特に気にならないかもしれない。

しかし、都立中合格を熱望する受験生親子は、多くが落ち着かない日々を余儀なくされる。

このツラい心境を、実利込みで緩和する方法として、難関私立中学の併願をお勧めしている。すでに何度も詳しくご案内しているが、今回は新しいプランを追加する。

多くの都立中受検生は、適性検査型入試を行う私立中学を練習目的で受検されるであろう。しかし、それでは「ツラい気持ち」の解消にはあまり役に立たない。ほとんどが楽勝で合格をもらえるからだ。

少なくとも都立並みの難易度の私立中学に合格しておきたい。入学するかどうかは別にして、少なくともこれまでの努力が無駄ではなかったことを、客観的に証明できることは、心の平穏にとって効果が高い。

女子進学校なら適性検査を実施する私立中学で候補となる学校がいくつかあるが、男子進学校で適性検査入試を実施している学校はない。どうしても、というなら共学校になる。

そこで、お勧めしたいのが、次の入試方式だ。

1.算数・国語・理科の3教科入試
2.算数・国語の2教科入試
3.算数単科入試

2と3はすでにご紹介しているので詳細は割愛する。

1の3教科入試の利点は、社会がないことである。私立中学の学力試験型入試では、社会は歴史や公民を含め、正確な知識とその高い運用力が必須になる。しかし、都立中の適性検査では、地理を除き多くの場合、そこまでは必要ない。よって、社会がない分、追加対策負担が小さくなる。

理科は、一問一答的な知識は別として、学力試験にも耐えられる高度な学力は必須なので、理科の対策は、私立も都立も大差はない。

お勧めの併願校をご紹介しておこう。

函館ラ・サール中(算数・国語・理科の3科選択)
芝浦工大附属中(算数・国語・理科の3科のみ)

*芝浦工大附属は今年度入試から女子の募集も開始した。

函館ラ・サールは、例年1月8日に、都内で入試を実施してくれるので、インフルエンザなどの感染が心配な時期に、日程的にありがたい。

芝浦工大附属は、近年2月4日の入試回が、第一志望入試から一般入試に代わったので、都立中の併願校として利用しやすくなった。

この2校の、いずれか、もしくは両方から、合格をいただけたなら、都立中合格の現実味はかなり高まるし、残念でも進学校に進むことも可能だから、ツラい気持ちは、いくらか緩和するのではないだろうか。

もちろん、入学辞退されて、地元公立中学に進まれてもよかろう。適切な自己肯定感を維持しながら、地元公立中学の3年間を送り、高校受験に臨めるであろう。

待つ身は、ツラい。

それは、都立中を受検した、都立中が大本命の親子でなければ、わからないツラさだろう。