[2021年2月11日]
令和3年度の都立中学入試の応募倍率は、5.13倍と、前年度5.74倍から、下がった。
都立10校計:応募者7471、定員1466、差引6005
九段AB合計:応募者 631、定員 160、差引 471
差引合計:6476
実際の数値から、約6,500人が、残念になったであろう計算になる。
これに、東京大学教育学部付属と東京学芸大学国際中等を加えれば、7,000人を超えるであろう。
出願を見送った受検生もいただろうから、潜在的な残念組を含めると、もっと大きな人数になろう。
合格した親子の喜ぶ姿はいつも圧巻だから、残念になった親子の落胆ぶりは容易に想像できる。
残念になった親子は、ほとんどが、深い感傷的な気分になってしまうのではないだろうか。
しかし、いつまでも感傷に浸ってはいられない。
都立中残念組のほとんどは、高校受験でリベンジを目指すことになるからだ。
高校受験で、どの高校でもいいから、高校にさえ進めればよいというのなら、感傷に浸りながら、ゆっくりと自然治癒するのを待てばよい。
しかし、高校受験で進学校への入学を目指すなら、そうはいかない。
高校受験の仕組みについての詳細な説明は、ここでは省略するが、高校受験はやり直しのきかない受験だからだ。
しかも、都立高校入試だけでなく、ほとんどの私立高校入試も、「報告書」評点が、合否を大きく握るので、入試問題さえ解ければいいという闘いではなくなる。
都立高校推薦入試の報告書点割合: 50%
都立高校一般入試の報告書点割合: 30%
私立高校単願推薦の報告書点割合:100%
私立高校併願優遇の報告書点割合:100%
私立高校一般入試の報告書点割合:まちまち
つまり、3年間ずっと、定期テスト、宿題や課題、授業態度などと、格闘し続けなければならないのだ。
地元公立中学から、進学校に進める割合は、すでに詳説しているが、都立・国立・私立を合わせても、3〜5%程度しかいない。もちろん、地域によっても違いはあろう。それでも高々10%程度であろう。
1学年が100人なら、安定して学年3位くらいまでをキープできなければならない。
しかも、学年5位くらいまでの顔ぶれは、入学当初から3年間ほぼ変わらない。
勘のいい人なら気がついたであろう。
高校入試で進学校に合格してリベンジを果たすためには、入学直後から学年トップグループに入らなければならないということである。
そのためには、絶妙なスタート・ダッシュを切れなければならない。そして、失速することなく、弛むことなく、3年間を通して勢いを増勢していかなければならない。
都立中への合格を目指した取り組みより、格段に大きな努力が求められる。
序盤からリードし、最後まで逃げ切らなければならない、厳しい闘いである。
都立中残念組は、いつまでも感傷に浸ってはいられない。
1日でも早く次の作戦行動に移り、そこに全力を傾けることができた者が、勝つ。
序盤の勝負どころは、中学入学前、小6の2月と3月である。
そのことを、後で知っても、もう遅い。
ここまで頑張ってきたのだから、しばらくゆっくりさせてあげようとか、しばらくゆっくりしようとか、ゆめゆめ、考えない方がよい。
入学前を含む序盤戦を、全速力で走り抜けることができた者だけが、次の大勝負にエントリーできる。
次の高校受験こそ、正しい闘い方をしなさい。