[2021年2月16日]
都立中の入学者選抜については、何度も同じようなお悩みをお聞きするので、少し雑学的に説明をしておこうと思う。
Q:合格発表までの期間が長すぎる。
都立高校の令和3年度の入試日は2月21日で合格発表は3月2日なので、結果がわかるまで9日間待たされる。都立中は入試日が3日で合格発表が9日なので、結果を待つ期間は6日と、マークシート方式であり記述式ではない都立高校よりも、かなり短い。
Q:入試を2回実施してほしい。
都立高校では、一次(分割前期)と、二次(分割後期)の2回実施しているが、ほとんどの受験生は一次での合格を希望し、残念な場合は私立や国立に入学する受験生がほとんどである。二次は人気がない。
これは、国公立大学の個別試験でも同じである。後期日程は人気がなく、しかたなく定員を絞って前期日程に振り分けるざるをえず、実質的に後期日程は機能していない。
都立高校や国公立大学で、二次(分割後期)や後期日程を実施している最大の理由は、実質的な定員割れの防止と解消である。東京大学など難関国立大学は、ほぼ後期日程を実施していない。
私立中学でも御三家などの人気校は2月1日のみの一発勝負である。複数回入試を実施している私立学校は、そうしなければ期待するような生徒を集められないからである。2月4日や5日まで入試回があると言っても、できれば1日、譲って2日までに合格を決められないと、3日以降の募集定員は極端に少なくなるので、希望するような学校に合格するのは非常に難しくなる。
よって、熱望する第一志望に合格したければ、募集定員が最も多く、ほとんどの学校が入学者選抜を実施するために志願者が分散し、実力相応の学校から合格を取りやすくなる2月1日に受験するのが、最も賢明な選択となり、実質的に一発勝負に近いことには変わりない。
私立中学入試でも、第一志望に合格できるのは高々20%程度なので、正味の合格率では、都立中入試と大きな差はない。
ただ、私立中学入試では、第一志望から激しく乖離しない魅力がある第二志望や第三志望などに合格が取れる場合がほとんどなので、たとえ第一志望が残念でも、地元公立中学に進学するケースは珍しく、この点が都立中一本受検とは大きく違う。
都立中学では、名実ともに定員割れを起こしていないので、二次(2回目)を実施するインセンティブはない。少なくとも募集する都立中側から見れば、入学者選抜は一発勝負で十分に機能しているのである。
Q:都立中に残念になった場合にどうするか。
大学入試を参照してもらえばわかりやすい。国公立大学に残念になった受験生は、併願した私立大学に合格していればその私立大学に入学するのがほとんどである。
国公立大学に限らず大学入試では、第一志望校に合格できなかった場合に浪人を選択するケースがあるが、都立中に限らず中学入試では、浪人すると受験資格を失うので、浪人はありえない。よって、併願合格した私立中学へ入学するか、無試験で入学できる地域の義務教育学校へ入学するしかない。
Q:私立学校の学費が払えない、払いたくない。
これも大学入試でも起きる問題であり、都立中入試に限ったことではない。
奨学金や、学費ローンや、特待制度や、教育費の生前贈与や、学資保険などを、計画的に利用するのが、現実的な解決策である。
Q:収入が多いために私立学校の学費無償化制度を利用できない。
収入が多いのだから、学費の支払い能力が高いということである。苦心して私立学校の学費を工面しているご家庭も少なくないのだから、払えなくはない学費を払いたくない、払えなくはない学費を他の支出に充てて生活をエンジョイしたいなどと考えるなら、それは、わがままではないだろうか。人並みの収入がありながら所得税などは一切払いたくないと言っているのに近い。
煩悩から解脱し、課題に真摯に向き合い、結果を謙虚に受入れる覚悟をもって、適切に取り組めば、納得のいく結果が届くのではないだろうか。
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