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三田学院

[2021年2月17日]

【都立中】まずは読解力を磨け

都立中の適性検査に限らず、入試で予選レベルを勝ち抜くためには、まず高度な読解力が必要である。

当たり前の話しだが、予選落ちしているようでは、合格を競い合うことはできない。

令和3年度の、桜修館の適性2の算数(独自問題)が好例だ。
令和3年度の、共通問題の社会も好例だ。

思考する前に、試験問題を解読できなければ、その先へは進めない。

ここで言う読解力とは、国語の読解力とは違う。

リード文と、データと、設問文を、正確に読み込む力としての、読解力だ。

適性検査問題や思考力型問題で、得点できない第1の理由は、リード文と、図表や条件などと、設問文を正確に読み取れないことだ。

適性検査問題や思考力型問題で、得点できない第2の理由は、学力の不足だ。これは何度も説明してきたことなので割愛する。

適性検査問題や思考力型問題で、得点できない第3の理由は、説明力のなさだ。なぜ、そう考え、それが正しいと言えるのか、第三者に理解してもらえ、第三者に納得してもらえるように、客観的に整理できる力のことだ。

適性検査問題や思考力型問題で、得点できない第4の理由は、記述力や表現力の貧弱さだ。第3で整理した考えを、文章や式や図などに正確に表現できるという意味での記述力だ。読み手が理解でき納得できるように書けなければ得点できない。

適性検査問題や思考力型問題で、得点できるようになるためには、まず、リード文や資料と、設問文を、正確に読むことができる読解力を身につけなければならない。

しかも、素直に、正しく、謙虚に、先入観などに縛られず、読み取れなければならない。

気がついた人がいるかもしれないが、これは、都立中入試に限ったことではない。難関私立中学の学力試験も、そうした傾向を強めている。

一方で、受験生の読解力は、かなり怪しい方向へと進んでいると危惧している。

原因の一つは、英語4技能化への不適切で過剰な対応ではないかと、疑念を抱いている。

日本で育つ多くの受験生にとっての母語である日本語に比べて、外国語である英語の、求められる言語的なレベルは、かなり低い設定となる。

発達段階の課程において、母語である日本語の運用力を疎かにし、外国語である英語により傾斜するれば、必然的に、思考力や、判断力や、表現力は、幼くなる。

早い発達段階から外国語を学ぶことを否定はしない。

しかし、その前提として、母語である日本語の言語的運用能力の育成を怠ってはならない。

英語を母語とするならば、小学校英語や中学校英語は、レベルが低すぎて、思考力や、判断力や、表現力を磨くには、著しく言語運用能力が不足するから、英語を母語とする人たちと、英語でディベートできるような、特別な対策が必要になる。

これは現在の日本の学校教育制度下では、ほぼ不可能だ。今後も広く実現できる見通しはない。そうした教育ができるのは、国際バカロレア(IB)教育ができるレベルの教育機関に限られる。ほとんどの受験生にとって、そうしたルートを進んで行くことは難しい。

原点に立ち返ると、ほとんどの受験生がまず磨くべき言語能力は、日本語となる。

日本語で、語彙を増やし、知識を増やし、情報を入手できる素地を獲得し、教科内容を理解でき、課題に取り組むことができ、意見を提案でき、交渉ができ、合意を形成できるようにならなければならない。

英語4技能の字ずらに、惑わされてはいけない。
思考力・判断力・表現力の字ずらに、惑わされてはいけない。

時代が変わっても、大切なことの神髄は、変わらない。

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