[2021年3月4日]
都立中へ進学する新中1も、地元公立中へ進学する新中1も、それぞれの中学生活への覚悟が決まった頃であろうか。
気が抜ける時期かもしれないが、いつまでも羽を伸ばしていては、中学入学後の学習がおぼつかなくなる。
中学受験組は、帰国子女でもない限り、本格的な英語学習の経験がない人が、多いのではないかと思う。
都立中の英語授業は、当初は基礎的な内容から始まるが、基礎内容はあっと言う間に終わり、進学校らしい高難易度の授業にどんどんなっていくので、スタートで後れを取ると、後々かなり厳しくなることを覚悟しておく必要があろう。
地元公立中の英語授業は、都立中や難関私立中に比べれば、3年間を通してさして難しくはない。しかし、これに甘えていると、高校受験で進学校には進めなくなる。
英検に合格しているくらいで安心していると、都立高校自校作成問題や難関私立高校の一般入試問題を突破できないので、早くから過去問などでレベルを確認し、適切な高校受験対策に取り組む必要がある。
これは英語に限ったことではない。
数学も、理科も、社会も、国語も、学校授業を受けていていれば大丈夫などというほど甘くはない。
そもそも、中学校の定期テストと、高校受験の入試問題のレベルは、まったく別物だという認識を正しく持って、中学校生活を開始し、定期テストとは別に、早い段階から並行して、適切に受験対策を進める必要がある。
英語について特にふれたのは、英語の学力の「二極化」が、5教科の中で最も激しいからだ。英語が苦手な集団に入ってしまったら、高校受験での成功はない。
都立中に入学しても、高校受験で進学校を目指すにしても、英語は「できて当たり前」の世界であることを知っておくべきだ。
これに加えて、数学の出来具合で、都立中入学後の学内順位や、高校受験で合格が見込める進学校のレベルが、ほぼ決まってしまう。
もうお分かりだろうか。
中学入学までの短い期間、小学校生活最後のこの時期、小6の2月と3月に、しっかり取り組んでおくべきことは、次の二つだ。
1.英語の中学内容を、しっかり先取りしておくこと。
2.数学の中学内容を、しっかり先取りしておくこと。
都立中入学組は、そろそろ入学前の学習課題が渡される時期だろう。
しかし、これだけでは十分ではない。
入学前課題は全員が取り組む内容だからだ。
英語の基礎がない人は、この時期に基礎固めをしておかないと、後に苦しくなる。
難関算数に不安があった人や、数学の基礎がない人は、弱点をしっかり克服しておかないと、後々苦しくなる。
目安を示しておく。
まず、合格組。
英語は、基礎英語1の、1年間分を理解できるレベルまで一気に進んでしまおう。登場する英単語やフレーズは、全て暗唱できて、しかも書けるようにしておこう。
数学は、チャート式体系数学の、代数1と幾何1の例題だけでいいので、少なくとも4分の1程度は解いておき、難しいと感じる領域がないか確認し、必要なら中学受験算数を復習しておこう。
続いて、残念組。
定期テスト対策、つまり内申対策があるので、検定教科書に沿って2倍速で進めるのがよい。しかし、中学3年間分を、遅くとも2年間で終えるスピードで臨むことが必要だ。中2の夏までに3年間分を無理なく終えられるのが理想だ。
なぜなら、中3で、自校作成問題対策や、難関私立問題対策や、過去問対策を行う期間を、残しておかなければならないからだ。
英語は、中2の夏頃までに、高校入試の出題範囲を終わらせよう。
数学は、中2の冬頃までに、高校入試の出題範囲を終わらせよう。
理科と社会と国語は、新中3の春、つまり中2の3学期末までに終わらせられれば、何とか間に合う。ただし、中3になっても、部活の大会や習い事の発表会などが残るような受験生は、これでも厳しい。
これは進学校(都立高校なら進学指導推進校、つまり三番手レベル)に進める最下限の条件なので、より高みを目指すのであれば、もっと早め、もっとハイレベルで手を打つ必要がある。
つまり、十分条件ではなく、必要条件だということだ。
ここでも勘の鋭い人は、気がついたであろう。
都立中に進んでも、地元公立中から難関高校に進む場合も、学習進度はほぼ同じだということだ。進め方が違うだけだ。
都立中後期課程と難関都立高校で、学ぶ内容に差はほとんどない。
難関国立大学や最難関私立大学を目指すのに、都立中高一貫校出身なのか、都立高校進学校出身なのか、難関私立中高一貫校出身なのかによって、大学入試問題が別々に用意されることはない。
つまり、どのルートを歩んでも、大学受験では、その突破力で、つじつまを合わせなければならなくなる。
都立中入学後に苦しまないためにすべきことと、高校受験で苦しまないためにすべきことは、意外かもしれないが、中学入学直前期にすべきことに、大差はない。
新入学先が決まって、期待に胸を膨らませている頃だろうが、新たな闘いはもう始まっているのである。
=お知らせ=
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