[2021年3月9日]
都立中の適性検査は、年々難易度を上げているが、そのなかでも合否を握っている二本柱が、適性算数と適性国語であることに、疑いの余地はなかろう。
適性算数は、ハイレベルな問題にも対応できる力をつけられなければ、もはや都立中合格はありえないと言ってよい。
小学校の学習内容が理解できていれば解けるなどと言うレベルではない。
いくらでも時間をかけて、いくらでも試行錯誤して、いくらでも解き直してよいなら、確かに解けなくはないかもしれない。
しかし、限られた試験時間の中で、合否に絡むことができる程度以上の得点をすることは、とても難しい。
そもそも、算数が少し得意なくらいでは、都立中合格はない。算数が得意な小学生など、この世にはいくらでもいる。その中で、勝ち抜けるだけの力が必要なのである。
適性国語も甘く見てはいけない。小学校の作文指導で先生に褒められたり、表彰されたりする程度では、適性国語は突破できない。
ここで言う適性国語は、適性作文だけを指すものではない。適性算数や適性理科や適性社会でも要求される、言語による情報を正確かつ適切に入手できる力と、言語を使って客観的かつ論理的に表現できる力のことだ。
大人顔負けの読解力と表現力が求められる。
課題文を読んでも幼稚な発想しかできない受検生や、何かを伝えようとしても聞き手に何が言いたいのか伝わらないような受検生は、そもそも合格に絡むことはできない。
都立中入試が近づけば、何とかモノになるかもしれないと期待するのは、それぞれの勝手である。
しかし、小4や小5でその土台がしっかりできていないと、小6でも伸びはない。
我が子が成長しても、世間の子も成長する。
世間の子の成長幅を上回り、世間の子の成長度合いを上回らなければ、合格力の向上はない。
不合格実績を積み上げるような取り組みを追っても、新たな不合格実績を自ら積み上げるだけだ。
あなたの子の、適性算数と適性国語は、すでに万全か。
そして、
あなたの子の、適性算数と適性国語の対策は、万全か。
そもそも、
あなたは、我が子を客観的に評価できているだろうか。
それより前に、
すでに大人のあなたは、都立中の適性検査を、制限時間内に解き切ることが、できるであろうか。
適性算数と適性国語の攻略なしに、適性理科と適性社会の攻略を目指しても、合格は難しい。
適性検査を甘く見てはいけない。