[2021年3月23日]
お約束していた、不合格実態の調査の結果について、報告しておかねばならなかった。
総括を書くことに躊躇していたのは、あまりにも呆れた実態が浮かび上がったからである。
不合格実態の調査によって明らかにしたかったのは、都立中の出願倍率と実受験倍率の高さの正体と、どうしたら確実に合格できるかと、どんな受検生が不合格になるのかを、明らかにすることだった。もちろん、その中には、大手塾で受検対策をするとどうなるかも、ふくまれた。
特定の塾や特定の受検生を誹謗中傷することが目的ではなかったので、調査結果の集約を書くことに、ずいぶんと逡巡してしまった。
とりあえず一般化できるだけ一般化して、総括結果を掲載しておく。
1.合格実績の実態との乖離が大きいとの情報が寄せられたのは、特定の大手塾に関してが多かった。
2.模擬試験を主催している塾の合格実績は、ダブルカウントやトリプルカウントが多い。
3.志望校別講座や志望校別直前講習を実施している塾の合格実績は、かなりの部分がダブルカウントになっている。
4.合格実績の水増しは、電話による問い合わせや電子メールなどによって行われている。合格して喜んでいる受検生親子の心の隙をついて行われている。電話番号やメールアドレスなどの連絡先を知られてしまったら、実際に通ってなくても、合格実績にカウントされると思った方が良い。
5.適性検査型入試を行う私立中学の合格実績も水増しされている。これも、特定の大手塾についての報告が多かった。学力試験型入試で合格したのに、適性検査型入試の合格実績に計上されていたというような報告である。
6.おなじ塾の複数教室でダブルカウントになっていたという報告もあった。これも特定の大手塾に限られる。実際に通った教室の他に、説明会に参加しただけの教室からも電話があり、その教室の合格実績にも入っていたというものだ。
この他、近隣の大手塾教室の実績については、複数の報告が寄せられたが、あまりにも呆れる実態なので、とてもじゃないが書けない。
合格者のみんさんは、合格による喜びで気が緩んでしまうかもしれないが、むやみやたらと、問い合わせにはお答えにならないよう、お勧めしたい。あなたに悪意が全くなくても、そのあなたの行為が、後に多くの人を傷つけたり苦めたりすることになるのだから。
これから受検対策をしようと考えている親子は、チラシやホームページの合格実績を、けっして鵜呑みにされない方が、賢明だと思う。
塾や教室の合格実績や不合格実績については、そこに通われていた保護者や受検生の可能な限り複数から、正確な証拠を集めた方がよいだろう。