[2021年3月25日]
適性検査型の模擬試験について書いておく。
都立中を目指す受検生が、模擬試験と聞いてまず思い浮かべるのは、適性検査型の模擬試験であろう。
なんのしがらみもなく個人受験できる適性検査型模擬試験として、しゅともし(適性検査型模試)が広く知られているのではないだろうか。
しかし、しゅともしなら、しゅともし(適性検査型模試)よりも、しゅともし(合判模試)の方がお勧めである。
都立中の場合は、しゅともし(適性検査型模試)ではないのか、と思われるかもしれない。
しかし、有名な適性検査型模試のほとんどは、都立中の合否を見極めるには、あまり精度が高くない。特に、学習塾主催の適性検査型模試は、利用に際して注意が必要だ。都立中の合格可能性を正確には計測できていない。しゅともし(適性検査型模試)も、その範疇を出ない。
適性検査型模試の成績は良いが学力試験型の模試の成績が芳しくない受検生はかなり危ない。
適性検査型模試の成績は芳しくないが学力試験型の模試の成績が良い受検生は見込みがある。
適性検査型模試の成績が良く学力試験型の模試の成績も良い受検生は合格する可能性が高い。
もちろん、
適性検査型模試の成績が芳しくなく、学力試験型の模試の成績も芳しくない受検生は論外だ。
適性検査型入試に慣れるという意味では、それなりに価値のある適性検査型模試はいくつかある。しゅともし(適性検査型模試)も、その意味では十分に価値はある。
しかし、合格可能性を見極める意味においては、しゅともしであれば、適性検査型模試よりも、合判模試の方が、圧倒的に精度が高い。特に「算数・国語・理科の3教科の偏差値」の精度が高い。
ただし、大手塾などの都公立中高一貫型のコースで受検対策をしてきた受検生は、かなり難しいと感じるかもしれないし、偏差値もかなり低めに出るであろうから、使いにくいかもしれない。
高い精度で合格を目指すのなら、ほとんどの適性検査型模試はお勧めできない。精度が高い適性検査型模試は1つしかない。
名前が独り歩きしないよう、ここでは模擬試験名は書かない。
高い精度で合格を狙いに行くなら、この適性検査型模試と、しゅともし(合判模試)の両方で、相応の偏差値が叩き出せるほうが、圧倒的に精度が高い。
都立中が実質単願か第一志望の場合は、四谷大塚の合不合や、日能研の合格判定や、サピックスの合格力判定など、難関私立中学向けの模擬試験で、偏差値表にあるような志望校相応の偏差値が取れなくてもかまわない。だから、こうした模擬試験を受験する価値もほぼない。しかし、中堅私立中学向けのしゅともし(合判模試)では、それなりの偏差値が取れる方が合格の精度が高くなる。
都立中とは言っても志望校によるが、小6の秋以降で、難関都立中なら68程度以上、中堅都立中なら65程度以上、その他都立中なら63程度以上を目指すと良い。
都立中が単願で、学力試験型の私立中学は全く併願予定にすらないのなら、しゅともし(合判模試)よりもお勧めの「学力試験型中学受験用模擬試験」が1つある。しゅともし(合判模試)よりも、出題のされ方が私立中に偏りすぎていないため、都立中の合格に必要な学力をかなり正確に判定できる。
都立中の合格力を見る観点からは、しゅともし(合判模試)よりもさらに精度が高い。ただし、模擬試験主催会社に個人申込ができないので、通われている塾を経由するしかない。
これも、名前の独り歩きを避けるため、模擬試験名は書かない。
目安は、しゅともし(合判模試)とほぼ同じでよいが、若干高めの成績が取れれば尚よい。小6の秋以降で、難関都立中なら69程度以上、中堅都立中なら66程度以上、その他都立中なら63程度以上だ。
注意していただきたいのは、小5までは、まだライバルたちのエンジンが本格的にかかっていないから、さらに高い偏差値が取れた方が安全だということだ。
小4なら、難関都立中は70程度以上、中堅都立中は68程度以上、その他都立中は65程度以上だ。
さらに注意してほしいのは、小6の秋以降に偏差値を上げるのは、かなり難しくなると言うことだ。これには、学力試験型も適性検査型もない。
巷には11月や12月に失速する受検生が多いようだが、ここでの失速は本番までに挽回するのが厳しいから、そうならないように10月までに「安全余裕度」を確保しておく戦略をお勧めする。
平たく言えば、早い段階で目標偏差値を余裕をもって達成しておき、その後は必至でレベルをキープするということだ。
男子の一部に小6で伸びる子がいなくはないが、女子はほとんどいない。いるとしたら、男女ともに、遅れて本格参戦した超ポテンシャルの高い受検生に限られる。
何が言いたかったかというと、適性検査型の模擬試験の成績(偏差値)に依存した受検対策は、とても危険だということだ。