[2021年5月27日]
はるか昔、古代ギリシャの天才哲学者ソクラテスは、「無知の知」という概念を提唱した。
「自分が無知であることを知る」こと
「自分が無知であることを知っている」こと
「自分が無知であることを知ることができる」こと
「自分が無知であることを知ることができている」こと
分かりやすく言えば、そういうことだろう。
近年、「メタ認知」という概念が注目されている。
「自分が物事を認知している状況や程度を、客観的に認知する」こと
「自分が物事を認知している状況や程度を、客観的に認知している」こと
「自分が物事を認知している状況や程度を、客観的に認知できる」こと
「自分が物事を認知している状況や程度を、客観的に認知できている」こと
というような意味だ。
「自分が物事を認知している状況や程度を、客観的に認知できる能力」のことを、「メタ認知能力」(メタ認知力)とも言う。
教育学や教育心理学の分野では、この「メタ認知」により、思考能力のレベルを客観的に把握し、課題を見つけ出し、それをふまえて、学習姿勢や課題解決能力を改善すると言ったような目的で、さかんに研究が行われている。
こうした研究は、心理学や教育学の分野にとどまらず、社会科学分野や自然科学分野でも応用されるようになってきている。
この「メタ認知」は、学力を向上させる上で非常に重要な意味を持つ。
自己の能力を客観的に認知できなければ、効果的で効率的な学習を計画的に進めることができないからだ。
さらに、自己の能力や、自己が帰属する集団の能力や、現代社会の能力や、地球規模の全世界の能力を、正確かつ適切に把握できなければ、たとえ課題の発見はできたとしても、その課題解決に向けた方策や、プロセスや、推進策などを見つけ出し、他者などと協力しながら、課題解決を図って行くことが難しくなる。
この「メタ認知能力」は、都立中の適性検査1で、丸裸にされる。
自己の能力を客観的に認知できているか
自己の課題を客観的に認知できているか
そして、
社会の能力を客観的に認知できているか
社会の課題を客観的に認知できているか
これができていないと、合格作文は書けない。
作文が苦手と言うが、いろいろな苦手がある。
・正しく漢字が書けない
・豊富な語彙力がない
・口語文法を知らない
論外である。
・自己を客観的に認識できない
・社会を客観的に認識できない
・自然を客観的に認識できない
・世界を客観的に認識できない
・宇宙を客観的に認識できない
どんな課題があり、どんな影響があり、どんな解決手段があり、どんな解決方法があり、どの程度の解決能力がすでにあり、どう解決すべきで、どうしたら解決できて、そして、何を目指して、どう進むべきか。
メタ認知の能力が低いと、程度の低い適性作文しか書けない。
どうごまかしても、適性検査1の採点官には見抜かれてしまう。