[2021年6月2日]
【都立中】成績が「中」とはどれくらいか
テストの点数で順位付けをすれば、成績は「上」や「中」や「下」に分かれることになる。
では、成績の上中下とは、それぞれ、どれくらいの位置の人を言うのだろうか。
息抜きに、塾生たちの意見を聞いてみた。生徒数100人で考えてもらった。
Aくん:上は1〜40位(40人)、中は41〜80位(40人)、下は81〜100位(20人)
Bさん:上は1〜30位(30人)、中は31〜80位(50人)、下は81〜100位(20人)
Cさん:上は1〜30位(30人)、中は31〜70位(40人)、下は71〜100位(30人)
Dくん:Bさん:上は1〜33位(33人)、中は34〜65位(34人)、下は67〜100位(33人)
意見が分かれた。
では、あなたの順位が100人中の45位くらいなら、自分の成績をどう伝えるか、と聞いてみた。
Eくん:真ん中より上
Fさん:平均より上
Gくん:中の上
さほど大きくは分かれなかった。
どれが正しくて、どれが正しくないかは、今回はどうでもよい。
興味深いのは、成績が平均を超えているか、ど真ん中より少しでも上の時は、「成績『中』」ではなく、「平均より上」とか、「真ん中より上」と言いたくなる人が圧倒的に多かったことだ。
こうした心理を読めば、「成績『中』くらい」と言う人は、実際には、「成績『中』」の下半分の人か、「成績『下』」に近いのだが「成績『下』」ではない人、というのが多いのではないかと推測される。
ある程度信用できるのは、客観性がある「真ん中(中央値や平均値より上」とか、「真ん中(中央値や平均値)より下」とか、「上位10%以内」とか、「下位30%以内」などの表現だろうとも思った。
ところで、中学受験が盛んな地域では、私立中学などへ学力優秀層がこぞって抜けるので、地元公立中学の学力分布は、かなりの歪みが生じる。
中学受験するのはごく一部という地域とは、学内順位と学力の関係が、大きく違う。
高校受験向けの有名模擬試験の偏差値をもとにして、学力分を上中下で表すと、概ね次のようになる。1学年は100人とする。もちろん多少の誤差は生じる。
上:01〜05位(5人)
中:06〜25位(20人)
下:26〜100位(75人)
毎年70人程度が、低偏差値私立高校に実質無試験で進学するので、ほぼ学力分布の人数と一致する。
ちなみに偏差値の目安は以下の通り。
上:56以上
中:45〜55
下:45未満
上と中(中の上)は、地元公立中にはほとんど残っていないため、実態として分布が大きく歪んでいる。
定期テストで学年一桁の順位なら、少し頑張れば容易に取れるので、地元公立中に進学して、それを目指して頑張るというのも一案かもしれない。
しかし、まったく勉強しなくても、ビリにはならないし、順位だけなら真ん中あたりにいられるので、子がその旨味を知ってしまうと、親にとって、かなり厄介だろう。
それでも、私立高校の授業料実質無償化制度が導入され経済的な打撃は大きくはないだろうし、おなじようなNo勉系のクラスメートと一緒の学校生活だから、親子ともに平和な中高6年間を送れるかもしれない。
厳しい現実を認識することになるのは、大学受験や就職試験で、ということになるのだろう。