[2021年6月5日]
中学受験は親が9割などと言われるが、実は高校受験でも親の役割は大きい。
高校受験における親の最大の役割は、中学受験における親の役割とは大きく違い、「反抗期に本格突入する前に子に正しい勉強姿勢を身につかせてあげること」が最大の親の役割となる。
反抗期に入ると、子は親の言うことを聞かなくなる。というより、まるで親の言うことと正反対のことをしたがるようになる。発達段階的には、自立への第一歩なので、すべてが悪い訳ではない。
しかし、勉強姿勢が確立できていない子が、反抗期に突入してしまうと、実にやっかいなことが起きる。多くが、できることなら勉強しなくて済むようにと、できることなら勉強から少しでも解放されるようにと、抵抗するようになるからだ。
学力が優秀であっても危ない。私立高校の推薦入試や併願優遇入試の誘惑は、学力優秀層にも襲いかかる。学力優秀層は、より正確に大学受験対策の厳しさを理解できる分、有名私立大学などの附属校の誘惑に惑わされやすい。
中学受験が盛んでない地域では、高校受験の競争は実質的に小5までに始まる。
中学受験が盛んな地域であっても、高校受験の競争は実質的に小5までに始まる。
小5とはいっても、小5の終わりまでではない。小5の初めまでである。小4のどこかでととも言い換えられる。小5の初めには、すでにかなりの学力差はついているから、予選をふくめれば、高校受験も、小3や小4が実質的な始まりだと言っても過言ではない。
ただ、中学受験が盛んな地域では、多くが中学受験に向けて早期から競争を始めるので、高校受験生親子が、高校受験を強く意識する時期が遅れてしまう。中学受験しないのだから、小学校では勉強はほどほどでいいのではないかという錯覚に陥りやすい。
ここに大きな危険が潜んでいる。
反抗期は、早ければ8歳ころから始まり、11歳ころには本格化し始め、中高生でピークに達する。
もちろん個人差はあるが、中学生になると、親の手に負えなくなることがある。
もはや、勉強しろと言われて、素直に従うようなことはない。
自から進んで勉強するような子に育てておかないと、親が何を言っても、親が何をしても、どうにもならなくなる。
定期テストや模擬試験で嫌な思いをするのは誰しも嫌だから、しぶしぶ机に向かおうとはするかもしれないが、深層心理が、心の中の悪魔が、大暴れして、子ども自身が、自らを制御できなくなる。
多くは、心の悪魔と闘うだけで、高校受験を終える。
そうならないためにも、子が反抗期に本格突入する前に、年齢的に余裕を十分にもって、正しい勉強姿勢を早期に確立してあげるしかない。
しかし、自己の経験として正しい勉強姿勢を適切な時期に確立できずに大人になった親の場合、その子に確立させてあげるのは、なかなか難しいかもしれない。どうしたらよいのか分からないからだ。
また、心の悪魔と闘って敗れることが、高校受験であり青春であると思っている親もいる。
ということは、子に適切な時期に正しい勉強姿勢を確立してあげるだけで、高校受験では、かなりのライバルに勝てることになる。
適切な時期に正しい勉強姿勢を確立させてあげられたら、高校受験での親の役目はほぼ果たしたも同然である。その後は、子が自らの力で乗り越えていく。
それが、本当の成長である。
それが、本物の青春である。
それが、確かな自立である。