[2021年6月28日]
ケチは地球を救えるか?
*ケチをテーマにした話題が続くと思うので、ケチこそ最高の生き方だと信じている人は、読まれないことをお勧めする。
世界規模で食糧不足が深刻化している。その一方で、国内では輸入や生産された食材の約3分の1が、毎日のように廃棄されている。
食糧危機とフード・ロスという相反する事象についての問題が、適性検査でも取り扱われることがある。
ありがちな解答例として、
食べ残しを減らそう
痛む前に食べ尽そう
食べないなら買うな
などなど、だ。
いずれも、ケチの精神が、よく活きていて、素晴らしい。
食べ残しを減らす取り組みは、小学校給食の場でも行われているので、小学生なら誰でも思いつく。
食材が痛まないようにする取り組みは、ご家庭でも行われているので、小学生なら誰でも思いつく。
食べないなら買わないようにしようも、必要ないものは買わないという発想は、学力に関係なく思いつく。
重要なことは、このような取り組みで、フード・ロスを減らすことができ、飢餓に苦しむ人々に食糧が行き渡るのか、ということである。
食品廃棄は、食品の製造過程や、食品の流通過程で、そのほとんどが発生している。
製造業者や流通業者に廃棄をするなと言っても、収益機会を失いかねず、拒むであろう。廃棄するのを止めるくらいなら、廃業を選ぶかもしれない。
消費期限が近いと買ってくれない。
わずかでも痛みが見えると買ってくれない。
いつでも新鮮で新しい食材が並んでいる店が選ばれる。
廃棄前提で製造し、廃棄前提で流通させなければ、製造業者や流通業者は生き残っていけない。
製造業者や流通業者に廃棄をしてまでも、製造させ流通させるようなインセンティブを与えているのは、実はケチな消費者であることにも気がつくべきであろう。
家庭や学校など、消費者の日常生活の中で食品廃棄を減らす取り組みを強化しても、抜本的には解決しない。
ケチでは、地球は救えない、ということだ。
むしろ、ケチが地球や人類を苦しめているのだ。
しかし、解決策は、ある。
そこまで考え抜ける受検生なら、より合格に近づけるだろう。
抜本的な解決策を思いつく受検生こそが、将来に、地球や人類を救ってくれる人材になってくれるのだから。
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