[2021年7月30日]
先日、都立中入試の結果分析の概要をお伝えした。
小石川>>>武蔵>桜修館>>大泉>九段≒両国≒三鷹>>南多摩≒富士≒立川国際>>白鴎
桜修館の難易度が厳しくて、両国と白鴎が想定よりも平易だったことの理由は、2つの要因で説明できると考えている。
1つ、新型コロナ感染症拡大の影響
2つ、都内中学受験の過熱の影響
いずれも、桜修館と両国白鴎には、正反対のインパクトになったとみられる。
桜修館は私立中学受験の盛んな城南地区に立地している。かたや、両国や白鴎の地盤は高校受験志向の強い城東地区である。
新型コロナの影響で、地元公立中学の教育に強い不安を覚えた保護者は桜修館地盤エリアで多かったとみられる。これが中学受験への傾斜を強めさせ、その余波で、桜修館の難化につながっている。
城東地区の反応は、これとは大きく違う。新型コロナの感染拡大で、感染リスクを覚悟してまで本格的な中学受験のために塾通いをさせなくても、感染拡大が収束するであろう数年後に高校受験で勝負してもいいのではないかという思惑が働いた可能性がある。
これが、それぞれの難易度の異変につながっている可能性がある。
この影響が来春にまで及ぶ可能性を、現時点では否定できない。
もちろん、受検生親子の判断は、事前に予想できない要因によって大きく変動する可能性があるので、今春の入試とおなじような結果難易度になるとは限らない。
さらに、ワクチン接種の効果が7ヶ月くらいしか持続しないという見解も出てきているので、今後の予想は極めて難しい。
イスラエルが3回目のワクチン摂取を開始するようだ。アメリカなどはワクチンを接種した人にもマスク着用を義務づける方向に大きく方針転換しようとしている。
新型コロナ感染症との闘いは、新たなステージに入った。
必然的に、都立中入試の闘い方も、変えていかなければならないだろう。
忘れてはならないのは、新型コロナ感染症の拡大は、高校入試にも大きな影響を与えているということだ。この件に関しては都立高校入試の異変についての日記を参照していただきたい。都立中入試よりも早くデータをそろえられたので、夏になる前に分析を終えている。