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三田学院

[2021年8月22日]

【都立中】3科目か2科目か

都立中入試は、実は学校ごとに内容が大きく違う。

決定的な違いを生む最大の要素は、3科目か2科目かである。

23区内の都立7校のうち6校と多摩地区4校のうち武蔵が3科目、残る23区内の1校桜修館と多摩地区の残り3校が2科目入試である。

都立中が開校した当初は、ほとんどの都立中が2科目入試を行っていた。

都立中に関するほとんどの都市伝説は、この2科目入試が全盛であった頃に生れている。

3科目入試が主流になった今は、ほとんどの都市伝説は通用しなくなった。

3科目入試にも2種類ある。適性検査3を45分で行うか、30分で行うかの違いによる。

45分型を「フル3科目」、30分型を「セミ3科目」と呼ぶことにすると、都立中は3種類あることになる。

フル3科目:小石川、武蔵、九段
難関2科目:桜修館
セミ3科目:両国、白鴎、富士、大泉
中堅2科目:三鷹、立川国際、南多摩

それぞれに、闘い方が大きく違ってくる。

フル3科目校では、逆転合格は、まず起こらない。
セミ3科目校でも、逆転合格は、ほぼ起こらない。
2科目校でも、桜修館では、逆転合格は、難しい。

都立中に関する都市伝説だが、多くが多摩地区で生まれ、多くが多摩地区で受け継がれてきた。これは、三鷹や立川国際や南多摩が2科目入試を一貫して行ってきたことと関係がありそうだ。

多くの都市伝説は、3科目校では通用しない。
また、2科目校でも、桜修館には通用しない。

桜修館は、まさかの不合格は起こりやすいが、まさかの合格は起こりにくいので、3科目の難関校に近い。適性検査2の算数を難問に差し替えられることと、報告書への配点が高いことと、合格者に占める難関の学力試験型私立中の併願者が多いからだ。実力のない受検生が、まさかの合格を手にできる可能性は、ほぼない。

フル3科目の中でも九段だけは少し闘い方が違う。問題が簡単で問題量が多い特徴がある。当然に適性検査は高得点での闘いとなる。つまり適性検査での逆転が難しい。結果として、報告書点の高い受検生から合格となる。

古びた都市伝説を語り継ぐ人たちの言葉を信じても、もはや奇跡など起こらない。

23区の7校と武蔵では、近年、奇跡などまず起こらなくなった。
武蔵を除く多摩地区3校でも、もう奇跡など期待しない方がよい。