[2021年9月1日]
中学受験算数を完全攻略する上で、実に重要なのが、小4算数である。
正確には、小4受験算数である。
何を意味不明なことを言っているのかとか、小5や小6の算数の方が大変だとか、と思うかもしれない。
しかし、小4算数の実に重要な部分、算数と数学の核心的な基礎をなす部分の理解が完璧でないと、後に、算数や数学の力が伸びて行かない。
これは、私立中学受験算数に限らない。都立中受検算数も同じである。
受験指導のプロではない保護者には、何を意味しているのか分かりづらいかもしれない。それ以上に、受験生や受検生には、何のことか分からないことが多い。
受験生や受検生にとって、どの単元も、それなりに重要だから、同じように取り組んでしまう。
ところが、この核心部分の理解が不十分だと、その不十分さ加減に相関するように、いや、因果関係となって、小5や小6での到達ポイントが変ってくる。
算数が得意でない。
漠然とそう感じるだけかもしれないが、指導していれば、この核心部分がどの程度身についているのかの違いで、算数力のほとんどが説明できることに気がつく。
その核心部分が曖昧な受験生や受検生に、その核心部分をもう一度指導しても、多くは、なぜしつこくその部分を指導されるのか、納得いかないことが多いようだ。
決定的に重要であることを本能的に察知できない受験生や受検生は、そこが大きなボトルネックとなって、後の成績に影響する。
計算スピードを巡る議論においても、この核心部分が非常に重要である。
ただ速く手を動かせば、ある程度までは速く計算できるようにはなる。
しかし、核心部分を確信的に理解できていない受験生や受検生は、その物理的な限界をもって、算数力の限界をむかえることになる。
伸びない。
凡人の域を抜け出せない。
難関校に届かない。
都立中に合格できそうにない。
何度も繰り返しご説明しているが、難しい問題に挑戦すれば、算数力が伸びていくというものではない。
算数の基礎基本と原理原則を、算数のコアになる本質を、いかに正確に理解できるかが、後の算数力の伸長を左右する。
小4算数の最重要分野を、小4で、十分に攻略しておけるか。
それが、中学受験の、中学受検の、命運を分ける。
都立中の優れた作問者は、まずここで、受検生を振り落とす。
もちろん、ここを通過できた受検生も、次々に罠にかけていく。
小4算数を正しく攻略できた者だけが、予選を通過できる。
そして、その中の一部だけが、後の勝者となる。