[2021年9月11日]
都立中の各校が、それぞれのホームページ上に、令和4年度募集要項を掲載した。
今回は、かなり大きな変更がある。
適性3を試験時間30分で実施していた都立中が、来春より45分に延長する。
試験時間の変更内容:旧30分 → 新45分
試験時間が伸びたということは、試験問題が多くなるか、試験問題が難問化すると、考えた方がよかろう。
今回適性3の試験時間を延長する都立中は、ここ数年で高校募集を停止する都立中のうち、すでに適性3を45分で実施していた都立中を除く数校だ。まだ詳細が発表されていない白鴎を除き、中学募集定員が増える。
都立中側からすれば、望ましくない受検生が入学者の中に紛れ込むことを懸念しているであろう。
今回の試験時間の変更で、より選抜機能の強化を図ると思われる。
つまり、牧歌的な受検生が合格できる可能性は、より低下すると考えた方が安全だ。
逆の見方をすれば、実力のある受検生が、まさかの不合格になるリスクが低下すると考えてもよいかもしれない。
つまり、適切な受検対策を、しっかり積んだ受検生に、より有利になるということだ。
2科入試の4校のうち、桜修館と三鷹は、適性2の大問1を独自問題に差し替えるが、立川国際と南多摩は適性2を全問共同作成問題で実施する。この違いを、ここでは新たに「フル2科」と「セミ2科」と呼ぶことにする。
フル2科:桜修館、三鷹
セミ2科:立川国際、南多摩
この4校は、いずれも適性1は独自問題である。
違いは適性2の一部を、差し替えるかどうかだ。
しかし、そこが重要だ。
桜修館も三鷹も、この差し替える算数分野が、共同作成問題より難しい。つまり、この算数で、受検生を振るいにかける。
もうお分かりだろう。
都心から遠く、難関私立との併願が少ない、立川国際と南多摩だけが、引き続き牧歌的な香りの残る選抜を行うが、それ以外の都立中は、すべて選抜機能をだらに強化する。
立川国際は、小中高一貫校になる。教室設備や総生徒数などの制約から、小学募集が順調に進めば、今後中学募集は停止または大幅縮小になるだろう。
その時に、南多摩が、セミ2科を続けるのか、フル2科やフル3科に変更するのか、興味深い。
都立中の入試戦線に異変あり。
都立中入試は、来春から、さらに新しい時代に突入するのである。