[2021年9月12日]
ある私立中学高校の幹部とお話しする機会があった。
保護者や生徒の前では話すことはないだろうことを話し始めたので、正直なところ面食らった。でも、すぐに、本音で話しができる学校だなと、好意的に思うようになった。
中学募集と高校募集を、ともに行っている、大学進学実績が良好な私立中高一貫校だ。
中学からの入学者は、中学受験に失敗して、うちに入学してくる。
高校からの入学者は、高校受験に失敗して、うちに入学してくる。
そう語りだしたのだ。
入学者のほぼ全員が、深い挫折から、中学生活や高校生活のスタートを切る、と言うのだ。
保護者のイメージする世界とは、大きく違うかもしれないが、これが、ほとんどの私立中高一貫校の、入学者の実態というか実情である。
しかし、この私立学校は、そのことをしっかりと認識して、そしてしっかりと受け止めて、学習指導も、生徒指導も、進路指導も、行っている。
この点が、地元公立中学と大きく違う。地元公立中学は、中学受検や中学受験を経験しなかった入学者が大勢を占めるから、深い挫折を胸に秘めた入学者への、特別な配慮の仕方を、十分に知っているとは思えない。
都内の中学入試は、過去にないほど過熱している。ほとんどの中学受検生や中学受験生は、当初に思い描いていた学校には進学できない。
都内の公立高校入試は、公立高校入試としては異例なほど、高倍率である。進学校だと、少なくとも2人に1人が涙を飲む。中には、3人に2人が挫折を味わう都立高校進学校もある。
都内の中学入試と高校入試は、挫折が渦巻く入試なのである。
挫折者の多くが、大手塾出身者から生まれることは、数値が示している。特に、私立中学受験は、大手塾出身者が多い。中堅まで含めると、ほとんどになるだろう。中小塾の多くは名実ともに高校受験指導塾であることが多いからだ。
12の春を、挫折の春にしたいのか?
15の春を、挫折の春にしたいのか?
そんなことはないであろう。
それなのに、挫折に向かって突き進む受検生や受験生が、去った年も、来る年も、後を絶たないことに、胸が痛む。
12の春を「挫折だけ」の春にしないために
15の春を「挫折だけ」の春にしないために
あなたが、今、選択すべき道は、どんな道だろうか。
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