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三田学院

[2021年9月14日]

【都立中】受検校選択の最適解

より良い受検校選択は、制約条件下で効用が最大となる解を選択することである。

都立中への入学を目指す受検生親子にとっての効用は、多くの場合、中学高校の6年間、安い費用で、良質な教育を受けられる、ということになるだろう。

中学高校の6年間、安い費用で、ただ教育が受けられればよいのなら、都立中である必要はない。地元公立中学から、どこでもいいので公立高校へ進めば済む。地元公立中+入学可能な公立高校が、最適解になる。

これに、良質な教育が受けられるという制約条件が加わると、最適解が変る。地元公立中学は最低限の教育しか受けられないと考えられるから、良質な教育を受けられるという制約条件の下では、地元公立中学は選択肢から外れる。

もちろん、良質な教育の解釈が、教育崩壊していないとか、学校崩壊していないとか、という程度であれば、地元公立中学は選択肢に入る。しかし、それで良いのであれば、そもそも都立中を目指すこと自体が最適解ではなくなる。

都立中の受検を選択したのであれば「地元公立中学では良質な教育は受けられないと判断した」とみなすのが客観的ではないだろうか。

となれば、

中学高校の6年間、安い費用で、良質な教育が受けられるという選択肢は、現実的には、次の2つに限られるだろう。

1つ、都立中などの公立中高一貫校に入学し6年間通う。
1つ、私立中高一貫校に入学し特待生として6年間通う。

都立中に合格できなかった場合と、都立中に合格できそうにない場合は、私立中高一貫校への特待生入学が、良質な教育を安い費用で6年間受けられるという制約条件下での、最適解になる。

都立中に合格できなかった場合に地元公立中学への進学を選ぶのは、6年間の良質な教育という制約条件下では、最適解にはならないはずだ。

実は前提とした制約条件が、そもそも違っていたのだと考えられる。

6年間、良質な教育が受けられることが第一条件で、安い費用も第一条件、または、第二条件。

ではなく、

6年間、安い費用が第一条件で、良質な教育を受けられることは第二条件、または、制約条件外。

というのが、本当の制約条件だったと考えられる。

6年間、良質な教育を安い費用で受けられることが制約条件なら、都立中への入学か、私立中への特待入学しか、選択肢はないはずだ。

あなたの、本当の制約条件は、どの組合せだろうか。

不正解を、正解だと思い込んでは、いないだろうか。