[2021年10月4日]
空前の中学受験ブームの中、「ゆる受験」なる話題が持ち上がっているようだ。
おもに私立中学受験を想定しているようだが、小6から受験対策を開始して、それなりの私立中高一貫校に合格しようというものらしい。
気になる記事をネット上で見かけた。
ゆる受験の合格目標校に、かなりの進学校の名前があがっていたことだ。
普連土、品川女子、富士見などだ。
記事の読みようによっては、これらの学校は、かなりお安く見積もられたとも解釈できる。
さらに、大手私立中受験指導塾の受験指導も、かなりナメられたとも解釈できる。
普連土も品川女子も富士見も、しゅともし80%合格可能性偏差値は60を超える。
偏差値60を超えられるのは、この模擬試験を受験した全受験生のうち、成績上位の約15%に限られる。
偏差値65を超えられるのは、この模擬試験を受験した全受験生のうち、成績上位の約07%に限られる。
これらの私立中に、小6から受験対策を開始をしても、合格ができる受験生は、皆無ではないだろうが、そう多くはないだろう。
一般論として、新小4(小3の3学期)までに受験対策を開始しても、多くはこれらの学校に合格できない。
小6から受験対策しても、これらの私立中学に合格できる可能性が高いのは、新小4から受験対策を開始したら御三家や新御三家や最難関に合格できたであろう受験生らに、ほぼ限定されるのではないだろうか。
つまり、小6初に受験対策を開始した時点で、相応の受験学力の素養がある場合に限られるということだ。
そういう意味ならば、ゆる受験でも、普連土や品川女子や富士見に合格できなくはない。
もちろん、新御三家以上とまでは言わなくても、ある程度の受験学力があるならば、偏差値50前後までであれば、ある程度の合格可能性を見出せなくはない。
ただ、小学校の成績がほどほどにできる程度で、中学受験も乗り切れると思うほど甘くはない。また、受験対策を遅く始めて、結果としてそれなりの学校にしか合格できなかった場合に、それで納得できるのかどうかも、受験生親子の考え方にもよるだろう。
ゆる受験で、普連土や品川女子や富士見に、誰でも合格できそうな記事を書いた人たちは、いったい何を企んでいるのだろうか。
厳しい生徒獲得競争の中で、少しでも多くのカモを獲得したいのだろうかと、疑いたくなる。
受験生親子は、「ゆる受験」の甘い誘惑に、安易に乗らない方が賢明だろう。
小6から本気を出すのであれば、高校受験で勝負した方が、満足度は高くなる可能性が高い。
もちろん、高校受験であっても、満足できる結果を残したければ、遅くとも小5までには準備を開始した方が安全ではある。