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三田学院

[2021年10月7日]

【都立中】秋が来れば、次は冬

暑さの戻りで、夏の名残り気分が漂っていたかもしれない。

しかし、月日は容赦なく流れていく。

10月に入ったと思ったら、もう1週間が過ぎた。ここからの時間の流れの早さが、例年、多くの受験生を苦しめる。

中学受験生も、高校受験生も、受験勉強ばかりを、してはいられない。

小学生は、最後の運動会や、最後の学芸会に、体力を奪われる。
中学生は、内申に影響する期末テスト対策に、時間を奪われる。

この時期になってもまだ、おなじような過ちを何度も繰り返すような受験生に、受験の神様は、愛想をつかし始める。

最後の追い込みで、驚異的な成果を出せる受験生は、ごく一部だ。

多くは現状を維持するだけで精一杯になる。
現状さえ維持できなく受験生も少なくない。

先行逃げ切りこそ、安全確実な対策であったことに、この時期になって改めて気がつくが、もう遅い。

11月末や12月初になると、受験を実質的に放棄する高校受験生が大量に現れる。

実質無試験合格の私立高校推薦入試に方針を切り替える受験生だ。

一夜にして、風景が変わる。

中学受験の模擬試験は、ほとんどが12月で終わる。多くは12月初めで終わる。

小6の初夏までは持ちこたえていた受験生も、早い受験生なら9月模試から崩れ始める。

これまで騙し続けてきた実力のなさに、容赦なく審判が下る。

11月と12月の模試で成績を伸ばすことができる受験生は、ごくわずかだ。

今まで候補にあがっていなかった学校の学校説明会に、あわてて予約を入れる親子が出始める。

中には、間に合わずに、学校説明会に参加したこともないまま、入試本番で初めて訪れる学校を、受験する親子も多い。

親の狂気は、いよいよ極限を極め始める。
子の自暴自棄は、もはや修正不能となる。

ここでも、先行逃げ切りが理想であったことに気がつく。しかし、もう遅い。

時の流れは、受験生を待たない。

秋が来れば、すぐに冬が来る。

冬の先には、春が待っている。

あなたの春は、待ち望んでいた春と、なるのだろうか。