[2021年10月12日]
中学受験ブームの過酷化が、埼玉や、千葉や、茨城にまで、波及している。
しゅともし11月偏差値で検証してみる。
<男子>
78:開成
77:渋谷幕張
76:麻布
75:栄東(東大特待)
74:市川、栄東(東大)、武蔵、駒場東邦、早稲田実業
73:海城、渋谷渋谷
72:都立小石川、東邦大東邦、栄東、開智(算数特待)、早稲田高等学院、巣鴨(算数)、世田谷(算数)
71:県立千葉、開智(先端特待)、昭和学院秀英
70:県立東葛飾、江戸川取手(東大)、早稲田佐賀、立教新座、芝
69:都立武蔵、都立両国、土浦第一、本郷、高輪(算数)
68:水戸第一、開智(先端A)、大宮開成(特待)、芝浦工大柏
67:開智(先端1)、函館ラ・サール、世田谷
66:桜修館、九段B、市立浦和、専大松戸、攻玉社、巣鴨
65:都立大泉、高輪(B)
64:都立富士、都立南多摩、高輪(A)、暁星、成城、北嶺、大宮開成
63:都立三鷹、都立立川国際、東大附属、県立並木、市立川口、市立大宮国際、茗渓学園、麗澤(AE)
62:都立白鴎、市立稲毛(市立稲毛国際)
千葉県立公立中高一貫校と、茨城県立公立中高一貫校の上位校の難易度は、最難関私立中なみに厳しいことがわかる。
埼玉や千葉の市立公立中高一貫校、市立大宮国際や市立稲毛なども、難関私立中なみであることがわかる。
来春に注目しておくべき点を記しておく。
常磐線沿線の私立中学が過熱しだしていることだ。
茨城県はここ数年で、県内に公立中高一貫校10校以上を新設したことで、茨城県内の中学受験熱が一気に高まった。当然に私立進学校の併願が増える。そこで白羽の矢が当たったのが、常磐線沿線の老舗私立進学校である、芝浦工大柏、専大松戸、麗澤、茗渓学園だ。
偏差値表には現れていないが、受験者数を増やし、熱戦となることが予想される。
埼玉も熱い。大宮開成(特待)の難化が止まらない。ここ3年で10ポイント近く難化している。
埼玉がここまで加熱した理由も、大宮開成特有のMARCHに強いという要因だけでなく、埼玉県内に市立大宮国際や市立川口などの公立中高一貫校が次々に新規開校したことも影響していると考えている。これまで中学受験に参戦してこなかった層まで引きずり込んでしまったのだ。
改めて東京都内の私立中学に注目すると、偏差値60以上で、都心部に立地し、大学附属ではない、男子進学校(緑文字、重複掲載は黒文字)は、とても校数が少ないことがわかるであろう。実は偏差値60未満にも多くない。獨協ぐらいしかない。後は共学校が数校ある程度だ。都内男子中学受験生は実は全滅組が非常に多い。多くは大手塾からの受験生だ。
偏差値60を切ると、大学受験で難関国立大学、特に東大の合格実績が極端に貧弱になる。
男子受験生親子は、東大の合格実績がある正真正銘の進学校を目指したがる。しかし、そうした学校の数は限られる。必然的に特攻気味の併願戦略になり、玉砕が増える。
女子校のように、偏差値はさほど高くなくても、魅力的な教育を受けられると感じられるような男子校は多くない。
偏差値が低い男子校は、伝統的に「ワルの名門校」が多いというイメージがいまだに残っている。
かつては「ワルの超名門校」だった男子校でも、校舎新築と中学受験人口の増加を追い風に、進学校化した学校もある。
「ワルの名門校」と決めつけずに、学校説明会や学校公開などに参加してみると、印象がかわるかもしれない。
極端な特攻併願に偏らず、安定した戦績につながる可能性がある。
話しを戻すが、空前の中学受験ブームで、千葉や埼玉だけでなく、茨城まで加熱してきている。
偏差値表とにらめっこばかりしないで、情報をしっかり集めて、「なんで、うちの子、こんな結果になっちゃったの?」ということにならないようにしたいところだ。
「なんで、こんな結果になっちゃったの?」は、巷の男子には、よくあることだ。もちろん、女子にも、ある。