[2021年10月19日]
都立中など公立中高一貫校を受検する小学生は、通知表や報告書の成績が気になることだろう。
2020年度から、小学区の通知表の内容が大きく変わったことは、小学生の子どもを持つ保護者にとって周知のことと思う。
これまで、国語においては5項目、その他教科は4項目あった評価項目は、全教科3項目に統一された。
知識・技能
思考・判断・表現
主体的に学習に取り組む態度
これにより、何を評価するかがすっきりとし、評価の透明性がより高まったと言えなくはない。
■知識・技能
知識や技能の習得の程度と、知識や技能の理解の程度、知識や技能の活用力の程度が評価される。これには、前学年や前単元などですでに学んだ内容と関連づけた理解や、教科を超えた活用力や、生活の場における実践力も考慮される。
■思考・判断・表現
知識及び技能を活用して「課題を解決」するために必要な思考力や判断力や表現力を身につけているかが評価される。
■主体的に学習に取り組む態度
知識や技能を習得したり、思考力や判断力や表現力を身につけるために、自らの学習状況を自ら客観的に把握し、自らの学習の進め方について改善に取り組むなどして学ぼうとしているかどうかが評価される。
この項目は誤解が多いようだが、単に積極的に発言したり積極的に行動したりすることを評価するのものではなく、性格や行動面の傾向を評価するものでもない。
■共通
言語能力、情報活用能力、問題発見・解決能力など、教科横断的な資質・能力は、各教科における「知識・技能」や「思考・判断・表現」や「主体的に学習に取り組む態度」の評価に反映される。
小学校の通知表の評価内容を、どう解釈し、どうしたら改善できるのか、少しはクリアになったであろうか。
小学校の通知表の成績が芳しくないのは、知識・技能や、思考・判断・表現力や、主体的に学ぶ能力が、高くないからである。つまり、新しい学力観における、学力が高くないからである。
すべて「よくできる」や「たいへんよい」だけでは、都立中入試は突破できない。つまり、「よくできる」や「たいへんよい」と評価される基準は、都立中合格に比べて、さほど難しくはない。
逆に、「よくできる」や「たいへんよい」が少ないのは、伸ばすべき余地としての「伸びしろ」が、かなり残っていることになる。
あるいは、伸ばそうとしている方向が、評価基準と噛み合っていない可能性がある。
小4や小5や小6で、「オールよくできる」の子は、小1や小2の頃から「オールよくできる」の子がほとんどだから、報告書の評価をよくしたいのなら、小4や小5になってから取り組むのではなく、もっと早くから真摯に取り組むべきであろう。