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三田学院

[2021年10月30日]

【都立中】適性私立は練習か特待狙いか

2月3日の国公立中入試まで残り3ヶ月となった。埼玉の中学入試までは残り2ヶ月だ。そろそろ最終的な受験日程を検討する時期だろう。

公立中高一貫校を目指す受検生にとって、併願校の選択は悩ましい問題であろう。適性型入試を行う私立中が増えたとはいえ、公立中高一貫校の適性検査とは大きく違うことが多く、また難関校ほど適性型入試を行わないので、私国立中を目指す受験生とは違い、相変わらず好みの併願校を探しにくい。

私立を併願する場合の目的は大きく2つの軸で対象校が絞られよう。1つ目の軸は練習なのか滑り止めなのかである。2つ目の軸は授業料免除などの特待を狙うのか狙わないのかである。組合わせると4通りになる。

適性型滑り止め(特待なし)
適性型滑り止め(特待あり)
適性型練習校(特待なし)
適性型練習校(特待あり)

このうち、興味が多そうな、練習校(特待あり)と滑り止め(特待あり)について、検討しておこう。

練習校の場合、できるだけ早めの日程が望ましい。直前に練習しても体制の立て直しを考慮すると日程が本番に近すぎる。練習校では確実に合格を狙いたいから、難易度で欲張ってはいけない。

有力候補として、埼玉日程の浦和実業が考えられる。

適性3科型と適性2科型があり、学力型を含め複数回受験しても、受験料に上限があるので、適性型と学力型の両方で練習ができるというメリットがある。しかも、特待合格するボーダーがさほど高くはない。

次に、滑り止め(特待あり)について検討してみよう。第一志望に残念になった場合の進学先候補になろうから、ここでも確実に合格が狙える学校から選ぶことになる。しかも特待を狙うなら、思い切って実力よりも低い難易度の学校から選ぶ必要がある。欲張ると特待が取れなくなるばかりか、滑り止めにならないことさえもある。

有力候補は、都心部の受検生の場合、次のような私立校が考えられよう。尚、特待の定義は「1年以上授業料免除」とする。

また、特待の取りやすさは、都立中の「合格が確実」な受検生にとっての目安で示す。都立中の「不合格が確実」な受検生にとっての目安ではないので、誤解のないようにお願いしたい。

A.特待がやや取りやすい私立適性型校
上野学園(共学)
郁文館(共学)
北豊島(女子)
京華女子(女子)
麹町学園(女子)
品川翔英(共学)
日本工業大学附属駒場(共学)

B.特待がやや取りにくい私立適性型校
京華(男子)
駒込(共学)
十文字(女子)
文化学園杉並(共学)

C.特待が取りにくい私立適性型校
跡見学園(女子)
大妻中野(女子)
淑徳巣鴨(共学)

D.特待がかなり取りにくい私立適性型校
開智日本橋(共学)
宝仙理数インター(共学)
安田学園先進(共学)

特待を狙うなら、Aから最低1校を選ぶべきだろう。その上でBを組み合わせてもよいだろう。

CとDは、都立中合格レベルの受検生でも、一般スライド合格になったり、特待が付与されなかったりするので、厳密に言えば「特待挑戦校」という位置づけになる。特待狙いでの深追いは危険だと心得ておくべきだろう。

いずれにせよ、努力と実力を証明できて、努力と実力の証拠が残るような、出願校の選定をお勧めする。

全落ちでは、何も証明できず何の証拠も残らない、のだから。