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三田学院

[2021年11月10日]

【都立中】適性作文の罠

小6受検生は、過去問演習が佳境に入っている頃であろう。

賢明な受検生親子なら、もう気がついていると思うが、近年この適性作文には巧妙な罠が仕掛けれるようになった。

「序論・本論・結論」や「いりたまご」などで指導している塾もまだ多いかもしれないが、こうした「型」による指導だけでは、低学年のうちならまだしも、本試験ではもはや通用しない。

都立中の適性作文の作問者は、どんな受検指導が行われていることは百も承知の上で、本当に中身のある適性作文が書ける受検生を、採点の際にしっかり見抜けるように、作問するようになってきている。

以前にも、模範解答例を数多く暗記してきたような受検生が多くて採点官をウンザリさせてきたが、「型」つまり「見かけ」だけ立派で中身のない作文を書く受検生にも、採点官はウンザリを通り越して呆れているのだ。

大量の作文を採点しなければならないから、一目瞭然で見抜けるように、巧妙な罠をしかけるのだ。

本質をついていない作文指導を受けてきたような受検生を、採点段階で早々に振るい落とすためだ。

適性検査における罠は、適性2や適性3にだけ仕掛けられているのではない。適性1の罠こそ、実は最も手ごわい。男子だけではない、女子の多くも、あっけなく罠に落ちる。

適性1で低得点に陥るリスクのある受検生は、適性1でやらかしてしまうと、適性2や適性3で挽回するのはもはや難しい。その一方で、適性1で高得点を安定して取れる受検生は、適性2や適性3の小さな失敗なら適性1が救済してくれる。

適性1の罠に陥らないように、しっかりと仕上げられた受検生こそ、より確実に合格に近づける。

適性作文力は短期間では育成できない。

受検生に残された時間は、もう少ない。