[2021年11月27日]
いよいよ冬本番が近づいてきた。
中学入試は、寒さや、寒さによる体調不良との、闘いでもある。
都立中の出願準備の時期となったが、都立中が実質単願の受検生であっても、そろそろ私立併願校についても最終な決断をすべきであろう。
都立中が残念なら地元公立中学へ進学すると決断している受検生であっても、私立中を併願するメリットはある。
■練習校
いくら多くの模擬試験を受けてきたといっても、過去問を数えきれないくらいほど解き直してきたといっても、入試本番特有の雰囲気を予行練習できるわけではない。
いろいろな思惑から適性検査型入試を行う私立中学が多くある。都立中本番前にこうした私立中学で練習しておく意義はある。
練習校の必要条件は都立中本番前に受験できることである。都立中の入試が終わってから練習する意味はないからだ。
練習校の候補は、1月校か、2月1日か2月2日に適性検査を実施する私立中ということになる。特定の都立中に似せた入試を行う私立中もあるので、そうした私立中で練習させるのもよいだろう。
両国:安田学園
富士:宝仙理数インター
大泉:宝仙理数インター
など
偏差値表には、特待合格の難易度で表示されている場合と、一般合格の難易度で表示されている場合があるので、偏差値表から探す場合は注意が必要である。お通いの塾で事前に確認の上で判断されることをお勧めする。
■特待チャレンジ校
練習校として例示した私立中はどこも特待合格を出すが、それぞれに特待基準があり、そうやすやすと特待合格が取れる訳ではない。特待を狙う受検生は、多くが「授業料免除1年」以上を目指すであろうが、合格はそう容易ではない。
人気がある適性検査型私立中の「授業料免除特待」は、概ね都立中合格可能レベル以上が目安になる。よって「授業料免除特待」合格が取れるなら都立中に合格できる可能性が高い。逆に、都立中に不合格になるようなら、こうした私立中の「授業料免除特待」合格は難しい。
つまり、都立中が残念なら「授業料免除特待」合格した私立中に進学することも選択肢にするなら、練習校で例示した私立中よりも、さらに難易度の低い私立中を併願する必要がある。
確実に「授業料免除1年以上」の特待合格を目指すなら、実力よりも偏差値で10ポイント以上平易な私立中が目安になろう。
持ち平均偏差値が75なら、一般合格の目安が60〜65の私立中
持ち平均偏差値が65なら、一般合格の目安が50〜55の私立中
持ち平均偏差値が55なら、一般合格の目安が40〜45の私立中
持ち平均偏差値が45なら、一般合格の目安が30代以下の私立中
特待合格を狙うなら、一般合格の目安が都立中よりかなり平易な難易度の私立中となるが、特待合格を狙うことは、そうした私立中を併願に組み入れることなのだと、理解しておいた方がよいだろう。
中学受験では一般合格が平易な私立中であっても、高校受験での一般合格はかなりの難易度になる私立校が多いことも知っておいた方がよい。つまり、中学受験でなら合格できても、高校受験では合格できない可能性があるということだ。中学受験における低偏差値校を過度に甘く見ない方がよい。
■本気の併願校
練習校も特待チャレンジ校も、都立中の完全な代替にはなりにくい。多くは特待合格できても入学を辞退する。地元公立中学を選ぶ親子が多いということだ。
逆に、こうした私立中の入学者は、ほとんどが特待合格できなかった受検生だ。中学受験を経験し高校受験でも難関校や進学校に合格することは難しいと見切った上での判断なのであろう。
そうなると、練習校や特待チャレンジ校は、実は、都立中の本気の併願校ではないことになる。
この件は、これ以上書くと、いろいろ語弊があるだろうから、この辺りでやめておく。
都立中の「一本受け」はさまざまなリスクがあるから、入学しないことが前提であったとしても、適性検査型私立中を併願する価値はある。
都立中の出願時期になって、どの適性型私立中を併願すべきか悩む親子が多い。そうならないよう、中低学年のうちから、いろいろな私立中学を見学しておくことをお勧めする。
親子で参加するのは気が引けるなら、保護者だけで見学しておくのがよい。むしろ保護者だけで幅広く見学しておく方がよいかもしれない。ただその際に、偏差値だけで見学する私立中を選ばないようにした方がよい。偏差値だけでわが子が受ける学校を選ぶのは毒親のすることだ。わが子のことを本気で考えて選んであげるべきである。
入試というものは、保護者のあなたが学校を選ぶ試験ではなく、学校があなたの子を選ぶ試験だということを、忘れてはならない。
わが子を過大評価することは親の愛情ではない。親の歪んだ自己愛に過ぎない。親の歪んだ自己愛をわが子に投影しているだけだ。
ウインドー・ショッピングや散歩に行くように、気軽に出かけるのがよい。意外な発見があるかもしれない。少なくとも、現状や実態を知るよい機会にはなるだろう。