[2021年11月30日]
都立中の令和4年度入試の雲行きが怪しくなってきた。
夏頃までは、男子出願者数は横ばい、女子出願者数は微増、全体では微増を予想する向きが多かったように思う。
ここ数年、全体としては出願者や受検者の減少傾向が続いていたこともあろう。
また、4大模試で都立中を志望校判定に書いた人数が全体ではほぼ横ばいであったこともあろう。
しかし、秋口から雲行きが怪しくなってきた。秋が深まってさらに怪しくなってきた。
横ばいまたは微増とはならないかもしれない。
4大模試からの予想はリスクが大きい。なぜなら、私立中は4大模試で判定して、都立中は適性検査型模試で判定するといった住み分けが、さらに進んだ可能性を排除できないからだ。
市販の過去問題集の出荷数の変化からの予想もリスクが大きい。なぜなら、大手都立中専門塾は独自編成の過去問題集を購入させるから、必ずしも市販の過去問題集をも手に入れるとは限らない。難関私立中受験生の中には、初秋までに都立中の過去問を手に入れた人は限定的だった可能性がある。中小塾からの都立中受検生の中にも、初秋の時点ではまだ過去問を手に入れていなかった人が相当数いた可能性がある。
それにもかかわらず、今年度の都立中の過去問の出荷冊数は、3年ぶりに大幅に増えている。もちろん、過去問集を購入しても実際に出願や受検をしない人もいるだろう。しかし、今年度だけその割合が極端に高くなると予想するに足りる根拠は見つけにくい。
そんな中、あきらかに出願者数を減らしそうな都立中もある。
また、今年定員を増やす都立中は、昨年定員を増やした都立中と、全く同じような状況には、なりそうもない気配だ。
実際の出願が締切られていないので、まだ動きがあるかもしれない。しかし、このままの状況が続けば、令和4年度は、巷の予想から、かなり外れた結果になるかもしれない。
都立中受検生は、例年よりもさらに覚悟をして、対策を進めた方が、よいだろう。
もちろん、倍率の変化と難易度の変化は別物だから、粛々と完成度を上げられた受検生が有利なことに、変わりはない。