[2021年12月1日]
原点に回帰する。
都立中において、出願倍率は、合格難易度の、説明変数ではない。
よって、出願倍率の変化を予想して、もって合格難易度の変化を予想しようとしても、ムリがある。
事実、ここ数年、都立中は出願倍率が低下しながら、難易度が上昇してきた。
都立中において、過去問題集の出荷数の変化や、私立中入試向け模擬試験の志望校判定登録件数の変化の情報を集め、もって出願倍率を予想しようとしても、ムリがある。
事実、過去問題集の出荷数の変化と、私立中入試向け模擬試験の志望校判定登録件数の変化は、相反するデータとなっている。少なくともどちらかが間違っている。
私立中向け模擬試験で、都立中を志望校判定する実数の減少は、そもそも学力試験型模擬試験で都立中の合格判定を希望する受検生の絶対数が不足しているので、その変化率も信頼度が低い。
過去問題集の出荷件数の増加も、新型感染症拡大や緊急事態宣言などの長期化などで、学校説明会や学校見学会の開催回数や受入人数が例年より少なく、受検生の情報収集が思うように進まず、複数の学校の過去問題集を入手することで、それを補おうとしたためかもしれない。事実、今年は、全ての学校の過去問題集の出荷件数の合計数が大幅に伸びている。
合格者が複数の塾の合格実績にカウントされ、塾業界全体で大幅な水増しが起ることに似ている。
逆に、感染症の拡大で、模擬試験の受験回数や、受験する模擬試験の種類を絞り込む動きがあったとしたら、模擬試験のデータには、都立中の受検を希望する人数の合計が減少したかのように反映されてしまう。
模擬試験データをもとに倍率が大幅に上昇すると予想されたある都立中は、過去問題集の出荷件数をもとにした倍率予想では大幅な減少見込みとなっている。
あまりにも極端に違うので、めまいがするほど衝撃的である。
どちらも信用できない可能性が高い。
難易度の予想は、信頼できるデータからのみ行うのが、正しいアプローチである。
もう一度、原点に回帰する。
もっともらしいが、信頼性が担保されない情報には、気をつけた方が良いだろう。