[2022年1月8日]
冬期講習が明けたと思ったら、すぐに埼玉決戦である。
多くの都立中受検生にとって埼玉決戦は練習でしかないだろう。しかし私立中受験生にとってはまさに本番である。埼玉で実力相応以上の学校から合格が取れれば、千葉決戦と東京決戦と神奈川決戦を、有利に進められるからだ。
都立中受検生にとっても、練習受検を埼玉決戦にぶつける意味は、非常に大きい。
模擬試験とも塾内テストとも違う、実弾が飛び交う戦場での実戦経験は、受検生を大きく成長させる。
持ち物、服装、起床時間管理、体調管理、交通手段の確認、非常事態への心得と対応、そのすべてを、東京決戦さながらに実弾で演習できる。
そして、合格発表時の緊張感を、まさに体感できる。
可能であれば、挑戦校、最適校、安全校のすべてで、実弾演習しておくことが望ましい。埼玉校は、練習受検やお試し受験を考慮して多めに合格者を出すから、挑戦校と最適校だけでもかまわない。すぐ後に千葉決戦も控えている。ただ注意してほしいことは、千葉決戦の方が肌感覚としては合格が取りにくいことだろう。東京決戦はその千葉よりも、さらに合格が取りにくくなることも考慮しておいた方がよい。東京決戦でお試し受験する受験生はほぼいないからである。首都圏では東京決戦が最終決戦になる。
埼玉決戦から東京決戦までは約3週間ある。まさかの不合格からのリカバリーも難しくはない。
しかし、東京決戦の序盤に練習受検をもってくると、日程的に、まさかの時のリカバリーはもはや難しい。私立中への進学を予定していなくても、東京日程は本気の併願受検期間と心得て、日程を組む方が安全である。その意味は、すべての闘いが終わった後になれば理解できるはずだ。
実は、都立中受検生も、2月4日に実戦日程を組んでおくことが非常に重要である。
2月3日ですべてが終わると考えてしまうと、2月3日の試験中に脱力してしまう怖れがあるからだ。まだ試験が終了していないのに、試験が終わった後のことが脳裏をよぎりだす危険があるのだ。
終わったら、おいしいケーキが食べたい。
終わったら、ディズニー・ランドに行きたい。
終わったら、思う存分お昼寝したい。
心と身体が、なんだかフワフワしだすと、もうとめられなくなる。試験問題に集中できなくなる。まだ幼さの残る12歳である。大人のようには精神状態をコントロールできない。
今日で終わりだと思わない方が、いつも通りに実力を出し切れる。
レベル的には、男子なら高輪、女子なら品川女子が、ちょうどよいだろう。
平均的な難易度の都立中に合格確実な受検生であっても、本気で臨まなければ合格が取れそうにないレベルが最適だ。難易度は高すぎても低すぎても意味がない。適度な緊張を維持できないからだ。
脱力するのは、すべての受検日程が終わってからでよい。
2月5日の午後まで、たった2日待つだけだ。
いずれにせよ、2月9日が近づけば、また極度の緊張を余儀なくされるのだから、脱力するのは2月9日の午後以降と決めておいてもよいだろう。
それまでは、ケーキも、ディズニー・ランドも、時間制限なしのお昼寝も、お預けである。
ここまで頑張ってきたのだから、最後の最後まで頑張り抜くべきである。
最後の最後とは、都立中から合格をいただく時、のことだ。