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三田学院

[2022年1月19日]

【都立中】いよいよ千葉入試

1月20日から千葉入試日程が解禁になる。

用意周到な都立中受検生の多くは埼玉入試日程で練習受検を終えていることだろうが、地理的な都合などから、千葉入試日程が初陣となる受検生もいることだろう。

本気で都立中合格を目指す受検生にとって、埼玉や千葉日程で練習受検をする「メリット」は大きい。

都立中への合格可能性が少しでもある受検生なら、ほぼ全員が合格をいただけるはずだからだ。

貴重な合格体験を、前もって得られる。

まだ幼さの残る受検生が、ほぼ初めての厳しい試練で、「自分も合格できるんだ」という実体験を得られることの価値は大きい。

ここで、けっして「合格できて当たり前」などとお声かけをされないことをお勧めする。せっかくの貴重な体験が台無しになるからだ。頑張ったのに意味のない体験だったのだと感じてしまうだろう。

練習で一度もできなかったことが、本番でできる可能性はほぼない。全くないと言ってもいいくらいに、ない。一度も練習したことさえないことを、本番でいきなりできるかどうかは、全くの未知数となる。これは、こどもであっても分かる。

よって、練習受検で合格を勝ち取っておくことは、大きな意味を持つ。

逆に、埼玉や千葉日程ではなく、東京入試日程で初めて練習受検をすることの「デメリット」は大きい。

東京日程は1日から5日まで5日間あるが、おもな私立中学の入試回は2月1日に、国公立中学の入試は2月3日に集中する。また、私立中学の入学定員は、2月1日と2日が大部分を占める。2月4日と5日の定員は非常に小さくなるので合格を取りにくい。

このため、私立中学受験生は、2月1日と2日の2日間で、入学してもいいと考える学校の合格を最低でも1校は確保しようと動く。これは私立中側も承知していて、2月4日以降は、その日の午前中までに入学手続きをしてくれた人数を確認した上で、合格発表では大幅に合格者数を絞り込んでくる。

つまり、実力相応の私立中から好条件で合格を勝ち取れるのは、概ね2月1日と2日の2日間しかないことになる。

このことを考慮すると、入学してもいいと思う私立中学は、2月2日までに合格を取っておくべきだということになる。

さもなくば、全滅するか、押さえの押さえのような学校に入学することを覚悟しなければならなくなる。

都立中が残念なら地元公立中学でよいという受検生もいることだろう。

しかし、全滅して地元公立中に進学するのと、どこかの学校から合格つまり入学許可をもらいながら地元公立中学に進学するのでは、雲泥の差となる。次の高校受験まで合格体験がないまま3年間を過ごさなければならないからだ。過去に合格実体験がないのだから、高校受験に向けて、架空の自信で挑まなければならない。

どんな成功であっても、成功体験をもつ人は強い。

2月1日からの東京日程では、本命校以外であっても、合格できたら心から喜べる学校を受検するのよい。

適性検査型入試に特待合格したり、難関私立中学に一般合格したりできるような、併願の組み方がよい。

ここで、初めての練習受検をしているようでは、本命校までに時間的な余裕がないし、貴重な受験回や日程を練習に奪われることになる。

特待チャレンジをしたり、難関校や進学校にチャレンジすると、特待合格が取れなかったり不合格になることもあるだろう。相応のダメージを受けることになるかもしれない。しかし、埼玉や千葉で合格を取っていれば、そうした厳しい現実も客観視しやすい。さらに正確に自己評価が可能になる。これは本命校受検でも活きる。

中堅や中位の私立中の多くは、高校募集も行うから、どのあたりの私立なら合格できるのかを早めに確認しておくことにもなろう。ただし、注意していただきたいのは、中学受験での中堅校の多くは、高校受験では難関校になるということ、中学受験での中位校の多くは、高校受験なら上位校になるということだ。

高校受験で成功できる自信と根拠があるのなら、地元公立中学から高校受験する道を選ぶのも、よいだろう。高校受験は失敗の許されない入試となる。誰でも入学できる地元公立高校など、ないからだ。

しかし、自信も根拠もないのなら、安易に高校受験する道を選ぶことはお勧めしない。少なくとも、高校受験について事前に詳しく調べてから、十分な覚悟をもって進むべきである。

埼玉や千葉の入試日程では、好きな数だけ受けていいし、いくつ不合格になってもいい。

東京入試日程で復活受検できる。本戦の東京日程に、さらに強くなって挑める。

中学受験や中学受検を通して、子を大きく成長させたいなら、埼玉入試と千葉入試は大いに活用すべきであろう。