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三田学院

[2022年2月11日]

【都立中】茨城の適性検査が激変

今年度の茨城県の適性検査問題に激変が起きた。

しかも、何の予告もなく、何も変更がないと思わせておいて、である。

令和4年度の入学者選抜方法と、令和3年度を比較してみる。

<令和4年度>
7 選抜検査
(1) 実施期日:令和4年1月8日(土)
(2) 実施会場:省略
(3) 実施方法及び内容
ア 適性検査?(45分間)
小学校で学習した内容を基に、思考力、判断力及び課題を発見し解決する力などをみる。
イ 適性検査?(45分間)
文章や資料を基に、読解力、分析力及び自分の考えを表現する力などをみる。
ウ 面接(1グループ20分間程度)
5人程度を1グループとした集団面接とし、学習への意欲や6年間一貫の学校生活への適性などをみる。

<令和3年度>
7 選抜検査
(1) 実施期日:令和3年1月9日(土)
(2) 実施会場:省略
(3) 実施方法及び内容
ア 適性検査?(45 分間)
小学校で学習した内容を基に,思考力,判断力及び課題を発見し解決する力などをみる。
イ 適性検査?(45 分間)
文章や資料を基に,読解力,分析力及び自分の考えを表現する力などをみる。
ウ 面接(1グループ 20 分間程度)
5人程度を1グループとした集団面接とし,学習への意欲や6年間一貫の学校生活への適性などをみる。

全く同じだ。

しかし、今年度は、適性検査というよりも、学力診断テストのやや難しい版のような適性検査問題になった。

ネット上にも、適性検査が簡単になったとか易しくなったとかの書き込みを多く見かける。

それくらい激変した。

伏線は全くなかった訳ではない。

得点開示(簡易得点開示)をやめて、合格不合格通知に得点を付記する形式に変更するという発表が事前にあった。しかも、不合格者には採点後答案の写しを添付することになった。

完全に採点ミスがあってはならないし、採点基準に一切のあいまいさがあってはならないから、客観テストにせざるをえなくなったのだろう。政治家を経由しての有権者というか納税者からの圧力があったかもしれない。東京都立高校の一般入試が、ほぼマークシート式になった経緯と、同じような背景がありそうだ。

とにもかくにも、しっかりと対策をしてきた受検生ほど、試験問題を見て驚いたことだろう。

一方で、試験問題自体は易しくなった。しかも長文記述がなく、ほぼすべて短答式になった。アとか、イとか、数値とか、短文とか、で答える問題である。学力診断テストのやや難しい版をイメージしていただければよかろう。

問題が易しいと高得点での闘いになる。実はボーダー得点率が高くなると、適性検査では差がつきにくくなる。勝負は報告書と面接ということになる。

大学入試共通テストの数学を参考にすると、変更後は易しくても、2年目から難しくなることが多い。

学力診断型で難易度を上げたら、それは学力試験に近くなってしまうのでないだろうか。

某国立大学附属中の適性検査も、そうした傾向が強い。こういう適性検査もありうるということだろう。

茨城の闘い方は、大きく変わったと言える。

激変後も、報告書と適性検査の対策は在宅受講そのもので、面接対策は楠隼面接対策の微調整で大丈夫である。

特に、今年の面接の「お題」は、塾生なら喜々として答えられたことだろう。

茨城の公立中高一貫校を目指す受検生親子が、教室の門戸を叩いてくれないことは、残念でならない。