[2022年4月30日]
「あゆみ」と「内申点」と「評定平均」は満点を目指すべきだ。
通知表の成績は、公立中高一貫校や都立高校や私立高校や大学受験における合否を左右することを、正確に理解できているであろうか。
都立高校一般入試の約30〜50%
都立高校推薦入試の約50%
都公立中高一貫校の約20〜30%
私立高校推薦入試の約100%
私立高校併願優遇の約100%
大学入試学校推薦型入試の約100%
大学入試総合型入試の約30%
しかも、ほとんどの場合、受験直前の評定点ではない。
評定平均は、高校1年1学期から高校3年の1学期までの評定を平均して算出される。
都公立中高一貫校の報告書点は、小5と小6、または小4と小5と小6の2学期までの評定が点数化される。
高校受験の内申点は、ほとんどの都道府県で、中1の1学期から中3の2学期までの成績をもとに決まる(注)。
注)一部の都道府県は、建前として、中3の成績をもとに内申点が決まる。しかし、中1や中2の成績は当然に考慮される。
ここで気をつけなければならないのは、実態として、中学受験なら小4の1学期の成績、高校受験なら中1の1学期の成績、大学受験なら高1の1学期の成績が、受験に際して提出される報告書点と強い相関があることだ。
小4末や小5になってから頑張る、中3になってから頑張る、高3になってから頑張る、というのでは、本当の意味での内申対策にはならないということだ。
高校受験に関しては誤解も多い。
部活動に積極的参加しないと高内申が取れない。 → 部活動成績は内申とは関係ない、難易度が平易な私立高校では加点されることがあるが1点程度以下
難関高校を目指すなら内申より難問対策 → そのような難関高校はごく一部で、偏差値70以上の最難関校の一部
テストの点数が高ければ内申は取れる → 内申は、授業態度、提出物の完成度、定期テストの3要素で決まる
うちの子は態度は悪くないと言う保護者が多いが、評価は、親ではなく教師が決めることなので、誤解のないようにすべきだ。
日々のハードな部活動に疲れて、授業中にしばしば寝落ちするような子は、テストが100点満点でも、「3」や「2」もありうる。
やたらと発言するのは良いが、意図せず授業の進行を妨げていたり、遅らせてばかりでは、授業態度としては逆効果になりかねない。
発言とお喋りの違いを正しく理解できていない児童や生徒も少なくない。
分からないことは何でも質問するというのも要注意だ。授業で重要だから何度も繰り返し説明してきていることを質問すると、授業をしっかり受けていないと判断される可能性があり、逆効果になりかねない。
意欲がないのは最悪となる。頭脳明晰でテストの成績が満点でも、主体的に学び、主体的に学んだことを活用しようとする姿勢が見られなければ、「5」はもらえないと覚悟しておこう。文科省の新しい学力観では「主体性」は非常に重要視される。
親子の中には、なんだかんだと言われても、よく理解できないので、とりあえずは、しばらくは、様子を見てから行動しようと考えているなら、すでにスタートで失敗している。
高校受験で大成功したいなら、新小6から中1のGWまでが、大逆転のほぼ最後のチャンスとなる。実は、小5や小6で、ほぼどのレベルの高校に進めるかが決まってしまう。
中学受験に失敗しても、高校受験に成功できるのは、ごく一部でしかない。
小学生のあゆみが悪くても、中学の通知表でよい評定がもらえるのは、これまた、ごく一部でしかない。
小学校や中学校の評定が低いのに、高校での高い評定が取れるというケースは、低偏差値高校に進んだ場合などの限られたケースでしか、まず起こらない。低偏差値高校の高評定は大学入試でも役に立たない。他の審査書類などで真実がバレる。国公立大学の推薦型入試では共通テスト受験を必須とする大学が多く、私立大学の推薦入試では高校別に枠が割り当てられるからだ。
高校では「ほぼオール5」だったとかを吹聴する、難関大学ではない大学生や、難関大学出身ではない社会人がいたなら、ほとんどの場合、出身高校を疑ってみた方がよい。
ウチの子、ヤレば、デキるんです!
という言葉は、高内申や高評定が取れてから、口にすべきであろう。
ヤレばデキるなら、ヤレば取れるはずだから。