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三田学院

[2022年5月13日]

【都立中】学歴フィルター

来春に大学や大学院を卒業または修了する学生は、この季節、就職活動で忙しいことだろう。

学歴フィルターという言葉をよく聞くが、企業の採用担当部署や係員が、膨大な数の応募に効率的に対応するために、あるレベル以下の大学の学生を実質門前払いするための制度である。

かつては大企業は「指定校制」をとっていた。内容は「学歴フィルター」と変わらない。「企業説明会」を大学に出向いて行う際や「リクルーター」を派遣する際に、企業がどこまでのレベルの大学を対象とするかを決めていたものだ。

当然に「学歴フィルター」による除外対象外の大学や「指定校制」対象大学の学生が就職に圧倒的に有利になる。企業によるか、採用対象以外の大学出身者は厳格に採用しないことも多い。

「学歴フィルター」や「指定校制」の内容は、企業によって違う。

最も厳しいのは伝統ある名門企業である。大学時代や高校時代の学友から聞いた情報をもとに、大学別就職力をランキングする。

レベルS−1:東京、京都、一橋、東京工業、大阪、名古屋、東北
レベルS−2:北海道、九州、早稲田と慶応の上位学部
レベルS−3:神戸、筑波、広島、早稲田と慶應の残り学部
レベルA−1:その他の上位国公立大学
レベルA−2:残り全ての国公立大学、上智、東京理科、MARCHや関関同立の上位学部
レベルA−3:MARCHと関関同立の残り学部

尚、小規模大学や地方私立大学は割愛した。

私立大学は学生数が多いので、大手企業への就職者数では強くても、有力企業への就職率では低くなることがあり、注意が必要だ。いくら大手企業でも、同じ大学の出身者ばかりになるのは好まない。

エントリー・シートによるWEB出願が一般化する前は、企業が大学に出向いて行う企業説明会に参加したり、その後に同大学の卒業生によるリクルーターとの接触で、ほぼ「内々定」から「内定」へと進んでいくことが多かった。

大学の掲示板に企業説明会の日時と教室が掲示されるので、そこに参加(出席)し連絡先を書くだけで「内々定」、その後呼び出しに応じてOBか人事の若手担当者と会えば「ほぼ内定」、さらに本社の人事部面接に行けば「内定」となる。その後は、懇親会と称して飲み会や小旅行に連れ出され、他企業に逃げないように拘束されたりした。

これに加え、国公立大学の理系学部では、所属する研究室別に大企業の就職あっせん枠があることが多く、成績優秀者から順に希望企業に担当教授が紹介することで「一発内定」ということが多かった。その後の人事担当者や人事部長や企業役員との面接は、意思確認のための消化試合である。

成績優秀者は企業側が目をつけて、就職と引換に、給与をもらいつつ、学費も援助してもらいながら、大学院に出向する形態で修士課程や博士課程まで面倒を見てくれることもあった。今はどうなっているかは分からない。形を変えて同様の制度が残っているかもしれない。

ということで、就職に困らないことを優先するなら、学歴フィルターにかからないような大学を目指すのがよいだろう。

今回は大学名までに留めたが、学部や学科によっては扱いが変わることもあるので要注意だ。

企業の採用担当者やリクルーターが大学まで来てくれる時代には混乱がなかったが、学歴フィルターはブラックボックスになっているのでわかりにくい。事情を知らずに応募しても、応募先企業から「残念ながら選考を通過できませんでした。よい就職先が見つかりますことをお祈りします」という『お祈りメール』が返信されてくることになる。

まあ、複数企業から内定をもらっても、就職できるのは1社だけだから、就職のことばかりを気にして大学や学部を選ぶのもどうかとは思う。

大企業や有名企業に就職できても幸福な人生が約束されるわけではない。中小企業や歴史の浅い企業の中にも将来有望な企業があるので、しっかりと企業研究をして就職活動に臨むべきであろう。自ら起業してもよい。

せっかく就職できても、ミスマッチなどから、入社3年以内に退職や転職する人が多いようなので、有名企業だからとか、待遇がいいからとかではなく、その仕事にそのものに就きたいのかどうかが、重要な判断基準となるであろう。

視点を変えると、大学への進学に際しても、学力一辺倒の「一般型」ではなく、目的意識と意欲が深く問われる「総合型」で臨むのも良いと思う。なぜなら、「総合型」選抜の準備段階で、その大学のその学部をめざす理由と、そこで学んだことを将来どのように活かしたいかを、何度も何度も自問自答することになるので、早い段階から大学卒業後のことも考える良い機会となるからだ。

*大学受験合格コースのページもご参考されたし。

<夏期講習募集のご案内>
募集期間:5月23日から6月20日(早期終了もあり)・・注
実施期間:7月26日から8月31日(開講時間の拡大期間)
特典内容:講習料20%引き(詳細は体験授業の際にご案内)
募集人数:5名以内(曜日により3名以内)の手続完了順

注)通塾は残席がなくなりましたら募集終了します。在宅は指導余力がなくなりましたら募集終了します。通塾の残席に余裕はなく、在宅もさほど余力はございません。

*通塾受講と在宅受講のプランがございます。通塾と在宅の組合せもできます。

*通塾プランと在宅プランで講習料が違います。在宅料金は通塾料金より(教科数などによりますが)半額ほどになります。

*通塾授業料はそもそも大手塾より大幅に格安です。小6では大手塾の半額から3分の1程度の額になります(比較する大手塾による)。

*夏期講習もコース毎の募集となります。コース毎に募集学年や募集基準が異なりますので、コースごとのページでご確認ください。

*今年度は、特別に6月15日を目途にして、募集を早期終了するコースがございますので、特設・基礎学力育成コースのページでご確認ください。

*夏期講習期間中も通常授業を実施します。また、夏期講習期間中も通常コースの募集は行います。

*中1の高校受験生は、この夏期講習の募集が最後の入塾機会となります。中2と中3の高校受験生は募集しておりません。

*今年度は、大学受験コース(高校生コース、中高一貫生コース)などの指導内容充実に取り組んでいるため、6月20日以降の募集人数は例年より大幅に絞ります。多くのコースは、コースごとのページにございます募集期日よりも早く、募集を停止いたします。救済措置は行いません。

詳しくは体験授業の際にご説明したします。