パソコン版を見る

三田学院

[2022年5月15日]

【都立中】模試判定と実合格率

模試判定と実合格率については、今年3月に解説したが、もう一度説明しておいた方が良さそうなので、抜粋して再掲しておく。

詳しい説明は、過去の日記を参照いただきたい。

■判定別合格率の「推計表示」
A判定:80%
B判定:60%
C判定:40%
D判定:20%
E判定:0%(要検討)

ところが、

■難関国公立大や最難関私立大の判定別合格率の「実態」
A判定:40%
B判定:40%
C判定:40%
D判定:30%
E判定:0%

A判定でも「慢心」できず、C判定だからと「悲観」する必要はなく、D判定だからと「絶望」する必要はない。

逆に、

A判定でも、B判定でも、C判定でも、落ちまくる。

それなのに、D判定で合格した人がいることを聞き混乱する。

一つ一つの判定など、その程度のものだ。

多くの種類の模擬試験を受けて、それぞれに多くの回数を受けて、その上で、それぞれの模擬試験ごとに平均偏差値を算出して、それぞれの模擬試験の偏差値別ランク表表を確認して、やっと合否の可能性が見積もれるという程度でしかない。

偏差値が50〜60をウロウロした受験生の場合、どの辺りを、どの程度の頻度でウロウロしかかによっても、実力の推計は変ってくる。

偏差値が50〜60で推移したなら、偏差値50の大学には合格できるであろうが、偏差値55や偏差値60の大学に合格する実力があるかどうかは怪しい。

しかも、短期間に偏差値10近い誤差でウロウロするというのが、そもそも怪しい。多くの受験生は2〜3ポイントしかブレない。ゾーンも上下に1つ程度しか変わらない。多くは同じゾーンのままで推移する。

振れ幅が大きい受験生の場合は、振れ幅の最下限が実力である可能性があるので、受験校選択にあたっては、過度な期待はしない方がよい。

もう一つアドバイスしておけば、受験校の出題傾向との相性を見極めた方がよい。偏差値の高い学校の問題が難しくて、偏差値の低い学校の問題がやさしいとは限らないし、偏差値が低い学校なら相性が良いとも限らない。

国公立大学の場合、難関大学になればなるほど個別学力試験(二次)の配点割合が大きくなるので、共通テスト(一次)を前提とした判定の精度も下がっていく。

共通テスト対策模擬試験の得点率ボーダーをクリアし、個別試験対策模擬試験で偏差値ボーダーをクリアし、実際の共通テストで得点率を余裕を持ってクリアし、個別試験でも合格者平均点前後以上を得点できて、やっと安心して合格発表に臨める。

一部の偏差値や判定で、合格可能性を正確に推定するなど、できないのである。

今春に中高一貫校に進学した親子も、早い段階から、大学入試の実態を知っておくべきだろう。