[2022年6月14日]
公立中高一貫校は、入試問題が小学校の学習範囲からしか出題されないから、塾なしでも合格できるという都市伝説のような意見が、いまだに流布している。
また、
公立中高一貫校は、大手塾に通わなくても合格できるという言説もしばしば耳にする。
論理的思考力で、よく考えてみていただきたい。
公立中高一貫校の多くは、最難関レベルの難易度ではない。公立中高一貫校でなくて私立中学や国立大学附属中であっても、さほど難易度が高くなければ、塾に通わなくても合格する子というのは、多くはないが、いなくはない。
それと同じことだということに気がつくべきであろう。
塾に通わなくても合格する子がいる、ということと、塾に通わなくても誰でも合格できる、ということは、同じ意味ではない。
次に、
大手塾に通わなくても公立中高一貫校に合格できる、というのはどうだろうか。これも、私立中や国立大学附属中でもありうることなので、公立中高一貫校だから、大手塾に通わなくても合格できるということにはならない。
むしろ、大手塾こそ、合格率が悪い。
市場占有率が高くなるほど、合格率は市場平均に収束していく。
よって、使用占有率が高い大手塾に通うほど不合格率は高くなる。
これは私立中受験指導大手塾でも起こる。
市場占有率が高くなるほど、合格率は市場平均に収束せざるをえなくなるからだ。
単純な応用確率論の論理で理解できるはずだ。
つまらない議論にムダな時間を費やさないようにした方がよいだろう。
つまらない議論を持ちだす塾に騙されないようにもすべきであろう。
この説明は、合格者数に惑わされてしまう人には、理解できないかもしれない。
大手塾の収益は、これらを理解できない人たちによって、支えられていると言っても、過言ではないだろう。
これは中学受験に限ったことではないし、受験業界に限られたことでもない。
騙されることで幸せになれるという人には、何も言うことはない。