[2022年6月18日]
都立中などの公立中高一貫校や、都立高などの公立高校では、評定つまり内申点が合否を大きく左右する。
こればかりではない。
都内の私立高の単願推薦や併願(併願優遇)では、内申点だけで合否が決まる制度になっている。
こればかりではない。
大学入試における、指定校推薦、公募推薦、自己推薦など、推薦入試においては評定(評定平均)が出願資格となる。
大学入試における、総合型においても、提出が求められることがほとんどである。つまり、評定平均も加味して合否判断されるということだ。
こればかりではない。
海外大学に進学する際も、GPAという名の評定平均の提出が求められる。米国などでは、このGPAと推薦書と志望理由書などで合否が決まる。つまり、国内大学の総合型や推薦型に近い入学者選抜方式である。
評定、内申、評定平均、GPA、これが進学に際して重要なのである。
かつて、学力がありながら、内申がボロボロの受験生親子から、相談を受けたことがある。
内申ボロボロとは、2や1があるという意味ではない。2や1があると高校進学自体が難しくなるので論外である。内申ボロボロとは、2や1はないが、4や5が少ないことを指す。オール3はボロボロ中のボロボロである。
大手私立中受験指導塾から中学受験に失敗し、公立中学に進んだ後もその大手塾の中学部(高校受験指導部門)に通い続けて高校受験を目指したが、公立中学の進路面談で、想定もしていなかった高校しか受験できないことを知り、相談に訪れた。
「時すでに遅し」である。
大手塾では一貫して「学力さえあれば難関高校に合格できる」と言われ続けていたと言う。
しかし、それで合格が取れるのは、極めてごく一部の私立高校でしかない。
公立高校も、都立高校も、ほぼすべての私立高校も、内申がボロボロでは、まったく闘えない。出願さえできない。
今や、大学入試さえ、内申(評定)ボロボロでは闘えなくなりつつある。
内申と学力が、ともにそろわなければ、希望する学校には進めないのである。
保護者は、子育ての方針を間違ってはいけない。
評定は、学力と学習姿勢が、ともにそろわなければ、向上しない。
評定は、10歳を過ぎると、劇的な改善は期待できなくなる。
良くも悪くも、その頃までに、学習姿勢が定着してしまうからだ。
9歳頃までの子育てで、最も大切にすべきことは、学習姿勢の育成である。
計算力でも、英会話力でも、ない。
カラープリントテストは、この頃までなら、学力がなくても100点満点が取れる。学習姿勢が適切に備わっていれば、100点満点が取れる。100点満点が取れないのは学習姿勢に課題があることが多い。
悪徳大手塾などに、幼いころから通わせて、子育てに失敗しないようにと、切に願う。