[2022年7月4日]
都立中には、どんな子が合格するのか。
誰もが気になる命題であろう。
巷には諸説が溢れている。しかし、ほとんどは根拠がない。
もっともらしくて、最もあてにならない言葉は、
「小学校の学習内容が理解できていれば合格する」である。
もしそうなら、定員がいくらあっても足らなくなる。
「小学校の学習内容をしっかり勉強していれば合格する」も、同じ理由で正しくない。
次に、最近多いのが、
「私立中学受験の勉強を小5までして、小6で適性検査対策をすれば合格する」であるが、
これも文言通りに実行したのでは合格は難しい。
その根拠に、麻布に合格して小石川に落ちる、駒場東邦に合格して桜修館に落ちる、という事例が後を絶たないことがあげられる。
では、特別サービスで、少しだけ、合格するにはどうしたらよいかを書いておこう。
小5末までに小6学校学習内容までを完璧にし、小5のできるだけ早い段階から適性検査型の問題にも対応できるように対策するのがよい。
ここで重要なのは、都立中にだけ合格したいなら、御三家や最難関の私立中で出題されるような難問は解けなくても良い。
しかし、小学校のカラープリントテストの表面が満点なだけでは足らない。裏面も満点なだけでは足らない。カラープリントテストは、知識技能と初歩的な思考力を試す基本的な問題しか出題されないからだ。
この意味でも、小学校の学習内容をしっかり取り組むだけでは足らない。
かといって、難関私立中の入試問題まで解ける必要はない。
誤解のないように補足するが、中堅私立中の入試問題が解けても、適性検査問題は解けない。学力試験型の私立中受験指導も行っているので、よく承知している。
ここで言えることは、私立中受験指導塾に通って、都立中を目指すのは、非効率だし、リスクが大きい、ということである。
もちろん、都立中に残念になったら、合格できた学力試験型の私立中に進学するするつもりなら、私立中受験指導塾に通う意味は、なくはない。
しかし、その場合は、都立中は受検しない方が安全である。私立も都立も中途半端になって、満足度の低い結果になりかねないからだ。
最悪の場合、意中の都立中も私立中も、全敗することになる。
都立中への合格可能性を極限まで引き上げるなら、小5末までに小6学校学習内容までを完璧にし、小5のできるだけ早い段階から適性検査型の問題に対応できるように対策するのが王道である。
不合格者を多く出す塾で、不合格率の高い塾は、これが出来ていない可能性が高い。これは大手塾に多いのでないだろうか。
合格者がわずかにしか出ない塾で、不合格率が高い塾も、これができていない可能性が高い。これは中小塾に多いのではないだろうか。
次に、適性検査問題の解き方をひたすら解説する塾は、大いに警戒すべきである。
適性検査問題は、解き方を覚えれば解けるような問題は、出題されない。
結果として、解けそうな気になっただけで、実際の本番では解けない子、という受検生に、仕上がってしまう。
都立中入試では、解けそうな気になっているだけで、実際には解けない子が、毎年にように数多く参戦し、そして惨敗して行く。
余談だが、「銀本」は解かなくてよい。
わたしが指導し合格させた受検生には、誰一人として「銀本」を解かせていない。
「銀本」は解かなくても合格する。よって「銀本」は解かなくてよい。
むしろ、「銀本」に取り組んだことで、不合格になってしまった受検生が、巷には多いのではないだろうか。
「銀本」を解くことを勧めたり強要したりする塾や指導者は、気をつけた方がよい。指導時間を稼いで収益を上げようとしているとしか思いつかない。他にすべき大切なことがある。
同じ意味で、「金本」も解かなくてよい。
わたしが指導し合格させた受検生には、誰一人として「金本」を解かせていない。
「金本」は解かなくても合格する。よって「金本」は解かなくてよい。
むしろ、「金本」に取り組んだことで、不合格になってしまった受検生が、巷には多いのではないだろうか。
これも、指導時間を稼いで収益を上げようとしているとしか考えられない。他に行うべき大切なことがある。
都立中の受検対策は、途中で、やり直しが、きかない。
間違った対策をすれば、合格を逃すリスクを、格段に高めてしまうことに、注意すべきであろう。