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三田学院

[2022年9月1日]

【都立中】夏が終わって気づくこと

8月31日をもって、今年の夏期講習は終了した。

始業式が遅い学校であっても、多くは9月1日までに学校授業が再開されることだろう。

夏休みが終わって気がつくのは、学校授業がある日は、自主学習時間が取りにくいことだと思う。

自主学習時間の計算には塾の学習時間をふくめてよい。学校授業街学習時間とみなしていただければよい。

夏休みやなどの長期学校休業期間は、毎日24時間が自由に使える。その気になれば睡眠時間以外をすべて勉強にあてることができる。

健康に配慮して1日7時間睡眠を確保したとしても、残り時間は17時間ある。3度の食事時間や入浴時間も切り詰めれば、ほぼ丸々17時間勉強できる。

厳しい受験勉強の経験がない保護者は、そんなに勉強したら心も身体も変調をきたすと思うかもしれないが、そんな心配はいらない。

食事は勉強しながらでも摂取できる。むしろ、ゆっくりしっかり食べると、なかなか勉強に戻れなくなってしまう。

満腹よりも、適度な空腹感がある方が、学習効率は高い。

入浴は夏ならシャワーで十分である。湯船にしばらくつかると体がほてってしまい、なかなか勉強に戻れなくなってしまう。

エアコンで体を冷やしきってしまうより、勉強部屋の風通しをよくして、扇風機の自然風モードで微風を浴びながらの方が、学習効率は高い。

エアコンで体を冷やしきってしまい、入浴で体をほてらせてしまっていたのでは、ロスタイムは数時間におよぶリスクさえある。

少なくとも大学受験生なら、休日17時間勉強は覚悟しておいた方がよい。

中学受験生や高校受験生も、休日12〜14時間勉強は覚悟しておいた方がよい。

受験学年生以外には、いくらかの自由時間があった方がよいから、休日の勉強時間はここから逆算すればよい。

小4なら、休日8時間勉強しなければ、中学受験のトップ層には迫れない。
小5なら、休日10時間勉強を達成できなければ、中学受験尾トップ層に離される。

小6なら、休日12時間勉強を実行できなければ厳しい。これより短ければ偏差値は伸びるどころか下落する。この時期に大幅に偏差値を落とすと容易には挽回できない。ライバルとの差は開くだけとなる。

待ち受けているのは、絶望だけだ。

高校受験生も、進学校を目指すなら、中学受験生と大差はないが、体力的に小学生より2時間多くできるはずだ。

中1は休日10時間、
中2は休日12時間、
中3は休日14時間、

これが成功するか否かの分岐点となる。

夏の遅れは挽回できない。

それは累積勉強時間を計算すればわかるはずだ。

1日12時間を40日間実行したなら、累計時間は480時間となる。

これを平日で挽回しようとしたら、9月から12月の4ヶ月間は約120日だから、1日4時間の上乗せ勉強時間が必要になる。

そもそも1日12時間を実行できる受験生は、平日でも5〜7時間を実行できるから、彼らに追いつくために遅れた分の4時間を上乗せしたとすると、平日に1日で9時間から11時間が必要という計算になる。

小学校や中学校から帰宅するのは早くて午後4時前後だろうから、1日9時間や11時間の自主学習時間は、物理的に確保できない。

つまり、夏休みについてしまった大きな遅れは、もう取り返せないということだ。

中学受験で、中堅校以上への合格をめざすなら平日は5〜6時間以上が目安になり、難関校を目指すなら平日は7時間以上が目安になる。

これが実行できない受験生は、大学受験でも成功しない。

大学受験は中学受験よりはるかに過酷だからである。

頭の良い子は何をしているのか、
成績が良い子は何をしているのか、

保護者も受験生も知るべきである。

成績が上がらない理由は、ほぼこれで説明できる。

もちろん、間違った勉強法を実践している場合や、間違った指導法を受けている場合は、この限りではない。

不必要に長時間拘束したり、不必要な宿題を大量に出す塾は、気をつけた方がよい。

真の学習時間を失うことになる。

苦しいばかりで、実りはない。

大手塾の大量の落ちこぼれが、そのことを、よく証明している。