[2022年9月6日]
東京都教育委員会は毎年10月頃に、地域別の進学実態調査を公表している。
最新の情報は2021年度のものなので、今春ではなく、その前年の実績である。
港区の状況を確認しておこう。
港区立小学校卒業生総数:1,463人
都内公立中高一貫校進学者数:9人
都外公立中高一貫校進学者数:1人
港区からの公立中高一貫校への進学率は、0.68%である。
100人に0.68人しか進学できていない。
港区内には公立小学校が18校あるが、公立中高一貫校への進学者は10名だから、港区立小学校1校当たりの進学者数は、0.56人となる。
つまり、港区立小学校2校あたり1名合格できるかどうかという水準である。
この年の、三田学院の公立中高一貫校の合格実績は、以下の通りである。
都立武蔵高校附属中:1名
桜修館中等教育学校:1名
都立白鴎高校附属中:1名
鹿児島県立楠隼中学:1名
合計4人
体験授業などの際に「たったそれだけの合格者数ですか」などと言われることがあるが、港区全体でも10人程度しか進学できていないということを知らずに、また、三田学院の総受検生数を知らずに、聞いているのであろう。
つまり、都立中受検の実態を正確に理解できていない。
近くの大手都立中受検専門塾は、1学年で40人の塾生を抱えているらしいが、港区からは10人しか合格しないのだから、最初から不合格になることを承知の上で、多くの受検生をかき集めていることになる。
裏を返せば、こうした戦略の大手塾を選ぶ受検生親子は、不合格になる可能性が極めて高い道を、あえて選択したと言えよう。
「都立中合格コース」は、「楠隼中合格コース」と合わせ、1学年10人を超えて塾生を募集していない。実際には5人を超えない程度で募集を打ち切っている。
「私国立中合格コース」も、基本的に、おなじ方針で募集している。
今春の公立中高一貫区の合格実績は、以下の通りである。
小石川中等教育学校:1名
九段中等教育学校B:1名
鹿児島県立楠隼中学:1名
小石川も、都立武蔵も、九段Bも、累積合格率は、100%である。他にも合格率100%の都立中がある。
楠隼中も、累積合格率は、100%である。
累積合格率100%とは、過去に教室からは1人も不合格者がいない、という意味だ。
国立大学附属中も、東京学芸大附属中と、お茶の水女子大附属中で、累積合格率100%である。
有名私立中学も、高輪、品川女子、普連土、昭和女子、安田学園先進、宝仙理数インター(4科型や公立一貫型ともに)、跡見、実践女子、栄東(埼玉)、函館ラ・サール(北海道、第1回・第2回ともに)、茗渓学園(茨城)などで、累積合格率100%である。
記憶に新しい私立中だけを列挙してみたが、記憶に頼らずにデータをしっかりと確認すれば、もっと多くの校名をあげることができるであろう。
今春の高校受験は合格率100%だった。
今春の大学受験も合格率100%だった。
これが、三田学院の、誇りなのである。