[2022年9月20日]
秋は悲しい。
夏期講習の余韻がまだ冷めやらぬ9月が過ぎれば、本番までは実質3ヶ月しかない。
この時期、小6の親子の中には、入試本番までまだ半年ほどあるような、妙な錯覚をおこす人がいる。
東京入試は2月初に始まるから、東京入試を終点にしても、10、11、12、1月の4ヶ月しか残っていない。
実際には、正月明け早々の1月初には、地方校の東京入試や、埼玉千葉の入試が行われるから、正味では、実は1月もない。
10月、11月、12月の3ヶ月を残すのみとなる。
この時期に、合格圏外から合格圏へとポジションを上げられる受検生は、大きく分けて2つのタイプに限られる。
1つは、実力がありながら、何らかの明確な理由で、大きく出遅れていた受検生である。ほぼ男子に限られる。合格が狙える都立中もごくわずかな学校に限られる。しかも、能力的余裕の残存が条件となる。
2つは、難関私立中学のみを目指していたが、急遽、都立中を第一志望に据えた受検生。男女ともに、私立なら新御三家以上の合格が狙える、ごく一部に限られる。しかも、都立対策への専念が条件となる。
都立中を第一志望にしていながら、これまで合格圏に安定してポジションを取れなかった受検生は、小6の秋から、己の敗北が徐々に現実味を帯び始める。
9月の模試と10月の模試の結果と、過去問演習の結果が、現実の厳しさをリアルに語り始める。
10月の模試の結果が判明する頃には、11月と12月しか残っていない。
この期間に、ライバル以上に取り組むのは難しい。合格圏にいるライバルこそ本気で取り組むから、差は縮まらない。むしろ、差が開きかねない。
小6の秋は悲しい。
勝負は、小4と小5でほぼ決まっていたことに、いまさら気がついても、遅い。
時は戻らない。
秋は悲しい。