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三田学院

[2022年10月5日]

【都立中】耳を疑う

民放のテレビニュースで耳を疑うようなニュースが流された。

・ウクライナ国境地帯へロシアの核兵器部隊が移動している
・核魚雷を搭載したロシアの原子力潜水艦が基地を出港した

10月5日朝のニュースだ。

いずれも、イギリスの高級紙タイムズと、イギリス大衆紙デイリーメールの紙面からの引用である。

つい最近まで、米政府の公式発表では、ロシア軍に核使用に向けた動きは確認されていないとしてきていた。

耳を疑うとは、このことだろうか。

国境へ移動している核兵器部隊は、核実験の準備ではないかと見られているが、真相はわからない。核攻撃の準備ではないと言い切れる証拠はない。

核魚雷を搭載した原子力潜水艦は北極圏の基地を出港したとされる。おそらくフィンランド国境やノルウェー国境に近いロシア海軍基地からの出港であろう。

搭載されている核魚雷は「ポセイドン」と見られている。海中で核爆発させれば最大で高さ500mの津波を発生させる威力があると言われている。東日本大震災の際に発生した津波の約10倍の高さになる。

地上で核攻撃を行えば直ちに核による反撃を受ける可能性があるので、これを警戒したロシアが、国境近くでの核実験によって威嚇し反応をみようとしているのと、核によって大津波を発生させ間接的な大規模破壊で反撃しようとしていると、解釈できなくもない。

ただ、核ミサイルや核魚雷を搭載したロシアの原子力潜水艦は、常に世界の海を潜航している。日本周辺でも、北海道近海などで、核兵器を搭載したロシアの原子力潜水艦と、おなじく核兵器を搭載した米国の原子力潜水艦が、常時、忙しく海中で鬼ごっこをしているから、その一環でしかないと解釈できなくはない。

地上のロシア核兵器部隊も、冷戦時代から引き続きロシア国内全土に展開していて、常に移動を繰り返しているから、これもまた、その一環に過ぎないかもしれない。

これに先立ち、ウクライナ政府高官は、ロシアが核使用を匂わす発言をした際に、NATOは一致結束して核で対応すべきだと発言していて、これはロシアに対する言葉による反撃に過ぎないと考えたいが、双方ともに、かなりエスカレートしてきている感を否めない。

民放ニュースも、ロシア政府高官の発言も、ウクライナ政府高官の発言も、耳を疑いたくなるが、起こり得そうなことなだけに、危機感が強まる。

耳を疑う

これは言外に、にわかには信じがたいが、事実あるいは真実であることを意味している。

真実や事実は、しばしば、耳を疑うような形で、人々の前に出現する。

ここで大切なのは、根拠や証拠を、確認することであろう。

公立中高一貫校の適性検査作文や、公立高校推薦入試の小論文や、大学入試の小論文では、意見の正当性を、根拠と証拠を示して、しっかり主張し切れなければならない。

採点者の疑いを晴らせないようでは、合格できる適性作文の域には達しない。


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