[2022年10月12日]
ついに、小石川の偏差値が、私立御三家筆頭を越えた。
私立女子御三家筆頭の桜蔭が偏差値が67で、都立中最高峰の小石川(女子)の偏差値が68だ。
平成4年9月14日付けの日能研のR4偏差値表には、そう掲載されている。
小石川の難易度が、中学受験における最難関レベルに迫っていることは、かねがねお伝えしてきた。
久しぶりに確認してみたら、小石川はついに、中学受験の最高峰にまで登り詰めていた。
これが意味することは何であろうか。
いつものように、額面通りの解釈などつけない。深読みする。
この偏差値表は、私立中学受験生がおもに受験する模擬試験のものだ。当然に、学力試験型の模擬試験である。
今さら説明し直すまでもないが、小石川は適性検査型の入試を行っている。
もうお分かりだろう。
学力試験型で受験対策を進めてきた受験生が、小石川に合格しようとすると、私立女子御三家筆頭の桜蔭に合格できるような力をつけない限り、難しいということである。
ここで、重要なことは、学力試験型で準備した場合は、という点である。
小石川の合格を目指す場合、桜蔭に合格できるような水準まで仕上げる必要はない。適切な小石川対策に専念して臨むのがよい。
大手私立中受験専門塾に通って小石川の合格を目指すのは、極めて非効率であり、かつ、実現可能性が極めて低い。
言い換えれば、私立中受験専門塾には、都立中に合格させる力はないのである。
これは、ほぼ全ての都立中にもあてはまりそうである。
偏差値表で確認しておこう。ちなみに女子で比較する。
68:小石川
67:桜蔭、女子学院、渋教渋谷、筑波大附
66:早稲田実業
65:都立武蔵、雙葉
64:
63:巣鴨(算数)
62:吉祥女子、世田谷(算数)
61:桜修館、都立両国、鴎友
60:お茶の水女子大附
59:南多摩、高輪(算数)
58:大泉、白鴎、三鷹、東洋英和、頌栄、立教女学院
57:香蘭
56:九段、立川国際、学芸大世田谷、普連土(算数)
55:学芸大国際、大妻
54:都立富士、学芸大竹早、品川女子(算数)
53:青陵
52:
51:開智日本橋、安田先進(特待)
50:東大附、楠隼(推定)、共立女子
都立中が第一志望でありながら、私立中受験専門塾で受検対策をすると、この偏差値表のような結末を迎えてしまうことになる。
つまり、私立型で対策をしなければ合格できたであろう受検生が、私立型で対策をしてしまうと、ことごとく涙を飲むことになるのだ。
国語(適性検査1)もそうだが、算数や理科(適性検査2や3)も、社会(適性検査2)も、都立型は私立型とは入試問題が全く違う。自ずと合格対策も合格指導も全く異なる。
それにしても、この偏差値表からは、都立中の将来が、さらに明るくなったとも解釈できる。
*楠隼は四谷大塚合不合偏差値で50が付与されていて、同偏差値表では安田先進や青陵などと並んで表示されているので、推定表示した。
*楠隼と東大附は出題傾向が大きく違うため、単純比較するのは適切とは言えない。楠隼と東大附を比較すれば、楠隼の方が都立中に出題傾向が近く、今春の都立中の適性検査1は楠隼の従来からの適性検査1の出題傾向に近い問題であった。東大附はあえて言えば、ほんの少しだけだが九段に近いと言えなくはないが、ほぼ独自路線での出題となる。東大附は実技という名目の図工分野の出題が単独試験科目として実施され、合格のためには、この実技でも高得点が必要となる。
*難易度感を確認しやすくするため、男子の算数単科入試のR4偏差値も抜粋して合わせて掲載した。
*しょともし偏差値ではないので、くれぐれも、お間違えのないようにお願いしたい。