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三田学院

[2022年11月7日]

【都立中】志望校選択の不都合な真実

第一志望校に合格できた喜びは格別であろう。

しかし、そこには不都合な真実が隠れている。

多くの中高一貫校では、入学後すぐに、校内実力テストが実施される。

合格者はここで、校内順位が明確になる。

入学者が160人なら、1番から160番までの順位がつく。
入学者が300人なら、1番から300番までの順位がつく。

この校内順位、実は、6年間、大きくは変動しない。

上位層は上位層であり続けることが多く、下位層は階層のままであり続けることが多い。

開成や小石川など、それぞれの領域でトップの学校を除き、進学校の輝かしい大学合格実績は、概ね上位20%〜25%程度が稼ぎ出す。

反対に、下位20%〜25%は、その学校のイメージから、大きく下方乖離した大学にしか進めなくなる。

人は置かれた環境に強く影響を受ける。

上位をキープできればモチベーションを維持しやすいが、下位に沈めばやる気さえ失せてしまうことになりかねない。

ここに、志望校選択のリスクがある。

第一志望の下位に沈んだ人が、第二志望の中位や、第三志望の上位の人に、次の大学受験で逆転されてしまう可能性が大いにあるからだ。

これは、私立の中高一貫校で顕著である。

一方で、公立の中高一貫校は、それぞれの地域で実質的なトップ校であることが多く、かなり余裕を持って入学してくる層が、上位のある一定割合を最初から占拠してしまうので、第二志望校や第三志望校として入学しても、上位や中位に入るのは、容易ではない。

逆に、高校受験で、かなりの余裕をもって、安全校となるような、学区の2番手や3番手の都立高校進学校に進んだ方が、学内上位を取りやすくなる。

そのまま、3年間の短距離走を、高いモチベーションを維持でき、緩むことなく大学受験に向けてしっかり対策できれば、中学受験で敗北したライバルたちを逆転することも可能だ。

ただし、難関国公立大学を目指す場合は、一浪は覚悟しておいた方が、より上を目指せるであろう。

逆に、中高一貫生は、東京一工や国立大医学部医学科を目指す以外は、浪人する効果は薄い。

難易度の高い学校に合格できれば、誰もがその学校のもつ輝かしい合格実績の大学に進めるとは限らない。多くは進めない。

逆に、上位層を維持できそうな学校へ入学すれば、その学校がもつ輝かしい合格実績大学に進める可能性が高くなる。

入学後に何を望むのか、入学後に何を実現したいのか、
6年後に何を望むのか、6年間で何を実現したいのか、

そのことを、よく考慮した上で、受験校選択をするのが賢明である。

偏差値の高い学校に合格することが、幸せを約束するのではない。

あなたにふさわしい学校に進むことが、あなたに幸せをもたらす。

くれぐれも、大手塾の合格実績の捨て駒にならないようすべきだ。