[2022年11月8日]
願書配布が近く始まる都立中だが、倍率が気になる受検生親子は少なくないことだろう。
現時点で入手可能な情報から予想すると、都立中10校の令和5年2月入試は、劇的な水準まで倍率が下がる気配である。
男子:3.5倍前後
女子:4.5倍前後
男女:4.0倍前後
男女混合では、4.0倍を切り、3倍台となる可能性も、十分にある。
今後は、多くの国立大学附属中のように、3.0倍〜4.0倍の範囲で横ばいとなり、変動幅がレンジ内で落ち着く可能性もある。
倍率が低下しそうな要因は以下の通りだ。
一つ、難易度が大幅に上昇して万全の対策をしないと合格できないことが知れ渡ったため。
二つ、都立中内で複数校の併願が不可能なため、私立中のように適切に併願を組んで合格を目指せる訳ではなく、対策にかけた費用や時間がムダになりかねないことが知れ渡ったため。
この要因は、特に男子倍率への影響が顕著であるが、女子も大きく影響を受けている。
三つ、高校募集を停止して、代わりに中学募集定員が増えたために、テクニカルに倍率が低下したため。
これまで、都立武蔵、都立両国、都立大泉、都立富士が高校募集を停止し中学募集定員を増やした。今後は都立白鴎がこれに続く。これで中学募集定員の増加は終わる。
倍率が4倍程度以下になると、もはや、高倍率を理由に合格できなかったとする言い逃れは、一切できなくなる。
人気私立中の倍率は概ね3倍以上あるし、6倍を超える倍率の私立中も多い。入試回によっては実倍率が10倍以上などというのも、ざらにある。
つまり、
都立中の倍率は、人気私立中の倍率と、逆転してしまったのである。
やっと、
国公立学校らしい倍率に落ち着いてきたとも言える。
都立中ば、倍率の低下傾向と相反して、じりじりと難易度が上がる傾向が続いているので、倍率が低下しても、合格はさらに難しくなると心得ておいた方がよい。
倍率の低下で、大手塾の合格率が上昇する可能性があるが、それは全体の合格率は倍率の逆数になるという、テクニカルな要因が理由になる。
指導力が向上したからではないことを見破れなければ、アナタもまた、ネギを背負ったカモになりかねない。