[2022年11月24日]
世帯所得の二極化が止まらない。
厚生労働省の国民生活基礎調査によれば、昭和の終わりには綺麗な一こぶラクダ状態であった世帯所得は、平成に入ると二こぶラクダ化しはじめ、令和に入り鮮明になった。
令和2年においては、600万円以上700万円未満に一つ目のコブ、1,000万円以上1,100万円未満に2つめのコブがあり、1,000万円超の世帯が大幅に増加していて、1,200万円以上の増加が顕著である。
この間に挟まれた、900万円以上1,000万円未満が少なく、ここが、所得上位層と所得中位層を分断している。このデータは全国のものなので、大都市部においては、こぶの位置が大幅に上方にズレていると思われる。
3割から5割増し程度の係数をかけると、大都市圏の実態に近くなるだろう。つまり1,200万円から1,500万円以上が中位層、1,500万円から1,800万円以上が上位層になるのではないだろうか。
東京都は、世帯年収910万円付近(家族構成による)以下の家庭の私立高校授業料を実質無償化しているが、ここが中位層(中間層)と下位層の実質的な境目と考えてよいのかもしれない。
世帯所得と子の学力の関係についての研究は多いが、あくまで相関関係であって、因果関係ではない。
しかし、所得の二極化が進行するタイミングとほぼ足並みをそろえるように、学力の二極化が進行したことは、実に興味深い。
所得に関係なく、実力さえあれば良好な教育環境を手に入れられると人気化した公立中高一貫校であるが、かつてはそのポジションにあった国立大学附属中学高校の難易度にせまり追い越すようになると、事情が大きく変わってしまった。
国立大学附属中学高校は、東京都内中心部にある国立大学附属中学高校を例に取れば、霞が関の官僚の子弟や大学教員の子弟が多い。生涯収入は高いが、現役世代における収入はさほど高所得ではない世帯だ。これらの世帯の特徴は両親が極端な高学歴であるということだ。ここで言う高学歴とは、ただ単に大卒という程度ではなく、難関大学卒や難関大学院修了のことを指す。
一方で、私立中高一貫校の上位校では、医者や弁護士などの士業(さむらいぎょう)や、企業経営者や、超一流企業のエリート・サラリーマンなど、子育て段階ですでに所得に余裕のある世帯が多い。こちらも高学歴な親は多く、親が東京大学や京都大学などの難関大学卒ということはざらである。
今後は、大都市部の公立中高一貫校が、国立大学附属中学高校の実態に近づいていく可能性があるのではないかと考えられる。すでにそうなりつつある気配を感じる都立中も少なくない。
かつても今も難関国立大学附属中学高校が高嶺の花であるように、都立中もさらに高嶺の花になりつつある。
世帯所得が中位層(中間層)以下の子弟が、受験競争の中で勝利するには、どんな戦略が適切か、この実態が示唆しているのかもしれない。
一つ言えることは「むやみに他人の勝ち方をマネしない方がよい」ということだ。
それぞれの家庭には、それぞれの勝ち方があるはずだ。
となりの子がサッカーが得意だからといって、うちの子にもサッカーを習わせるなどといった愚策を講じてはならない。
うちの子にふさわしい闘い方を示してあげられる親こそ、最強の親なのだ。
そして、
それぞれの子にふさわしい闘い方を示すことができる塾こそ、最強の塾であろう。
=お知らせ=
事前予告いたしました通り、12月から新年3月中旬頃まで、募集停止期間に入ります。
募集停止期間に入る前の11月中で、体験授業の実施が可能な残りの日程をお知らせします。
11月29日(火)
11月30日(水)
日数が限られますので、12月初から受講を希望されます方に、限定させていただきます。
また、1日1組とさせていただきますので、このお知らせと行き違いに、別の方のご予約が先に入りましたら、ご容赦ください。
体験授業をご希望されるご連絡をされた方には、こちらより確認メールをお送りしますので、ご確認の上で返信をお願いします。
こちらからの確認メールに、24時間を経過しても返信がない場合は、体験授業のご予約をキャンセルされたと判断します。
こちらからのメールが、迷惑メールに振り分けられていることがございますのでご注意ください。
お電話を差し上げることはございません。
ご予約をされます際は、「ご希望コース名」と「ご希望コースの募集基準等の充足状況」を明記していただきますようお願いします。
12月1日以降の募集停止期間中も、体験授業の事前予約は承ります。ご予約いただいた順に、募集停止期間が終了したのち、体験授業の日程調整をご案内してまいります。
また、冬期講習や春期講習や夏期講習の外部募集は行っていません。塾生だけで実施いたします。
詳しくは「体験授業のお申込方法」と「募集停止期間のご案内」ページをご覧ください。